ナカニシモモ

1998年生まれ ◎詩、日記、みじかいお話など

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最近の記事

2024.6.13

朝4時頃、鶏の声で目が覚める。近所に鶏を飼っているお家があるんだろうと思っていたら、すぐそばの小学校に鶏小屋があったから、きっとあそこだ。 外はもう明るい。あと1週間ほどで夏至。 薄らと雲がかかって、淡い青空で目にやさしい。日中はしっかり暑いけれど、朝のうちは半袖だと肌寒いくらい。ごみと郵便物を出しに外へ出て、なんて気持ちいいんだろうと、少し散歩した。 昨日、無地のTシャツに模様を描いてみて、それが何ともしっくりきて、ハマりそうだ。これは手作り?出来合い?どちらとも言えず

    • 2024.6.11

      上田に戻って3週間が経った。前に住んでいた所とは離れているけれど、去年と同じ畑に種を蒔き、ばったり知人と出会したり、帰って来た気分だ。ガソリンスタンドのおじさんまでも「久しぶりじゃん〜」と声をかけてくれた。 美しい村新聞の文章を書いて、しばらくは時間があるし、考えたこと、見聞きしたことを、消化していくような時間にしようと思った。 興味の湧いたことを抑える必要はないけれど、気や足が向かなければ、向けようとしない。 昨夜は小さな読書会に行った。メンバーはふた回りくらい年上の方

      • 終わりのない話 #1

        謙虚さと誠実さ、そして自分の言葉を失わずにありたいと思う。言葉は、文字にできるものや声に出せるものに限らない。それぞれの中にあるものを、大きくも小さくもせず、生きたまま表すもの。 見えたものは、自分にだけそう見えている。自分の目は、見たいものを見たいように見ている。誰もが、見たいものを見たいように見て、それぞれに見えている世界にいる。 目は外を向いている。だから外のものほどよく見える。自分の顔を、自分が立ち、歩いている姿を、何にも映さず見たことがあるだろうか。見えたものが、

        • 種火舎

          "Life is what happens to you while you are making other plans.” 初めて星野道夫さんの著書を読んだ時に出会った言葉。 この時はまさに、自分が思い描いていたのとは全く違う状況に置かれることになり、それ故にこの言葉が腑に落ちた。思いもよらないことが人生を作っていくのだと。 今は、思いもよらない道行きでも、やがては思い描くところに向かっていくのだと思えてきた。 追い求めるとか、貫くというのではなく、 思い描くことを、掲

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        • みじかいお話
          6本
        • Poetry
          21本
        • Dog-ear
          6本

        記事

          三月十五日〜二十一日

          三月十五日 思い立って高尾山へ。リュックも持っていなかったから、1号路で登り下り。遠足の子たちや海外の方が多かった。暖かくて、登っていると汗が出る。 下り途中、一昨年見つけたカンガルーのような木と再会。丸2年は経っているけど、健在だった。最後の最後、ゲートのそばで、遠足で来ていたらしい3歳か4歳くらいの子たちが遊んでいた。こんにちは〜と言いながら通り過ぎようとすると、追いかけてくる子がいて、引き返したら綺麗な青い木の実を見せてくれた。 高尾山口から登り下り合わせて1時間半

          三月十五日〜二十一日

          三月八日〜十四日

          三月八日 午前中にアパートの内見、午後は農家さんのところへ。畑を見せてもらったり、仕事の様子を教えてもらったり。 参っていたところから、とりあえず先行きが見えてきた。次がたのしみだ。 三月九日 朝、Wさんとカフェで待ち合わせて話す。生命に関わること、書き残しておくこと、SNSとブログ。 その後、山の秘密基地に連れて行ってもらってから、お仲間がDIYで作っているお店へ行き、お昼をご馳走になりながらオフグリッド、大地の再生、屋久島での積み石の話など。 夜、退職の連絡をした

          三月八日〜十四日

          三月一日〜七日

          三月一日 経堂のパン屋さんへ行ってから、BONUS TRACKへ。お店をのぞいたらお友達が店番をしていて、久しぶりに会えて嬉しかった。九州に住みたくて、場所を探しているのだそう。 夜、考えていることを文章にして、職場の人に送った。ひと段落した気分。 三月二日 朝、職場の人から電話がかかってきた。「昨日のメッセージを読んで、すごく分かる話だなと思って。会って話しませんか?」良かった…! お昼前の新幹線で望月に帰り、玄関を入ると、廊下の階段のあたりに何かがあるのが見えた

          三月一日〜七日

          二月二十三日〜二十九日

          二月二十三日 長野市へ出かけようと途中まで向かったものの、雪が本降りになってきたので、上田で引き返す。 帰って版画の続きを。ローラーやバレンは無いけれど、あり合わせの道具で刷ってみる。上手くいった!と思っても、ちょっと絵の具が載り過ぎているところがあったり、彫ったはずのところが埋まっていたり。擦るのは指の腹でやっていて、良い具合に刷るのは難しいけれどたのしい。 夕方からヒヤシンスハウスのスケッチを始めて、描き上げてから寝た。 二月二十四日 晴れたので、長野市へ。プロ向け

          二月二十三日〜二十九日

          二月十六日〜二十二日

          二月十六日 出勤して、午前と午後にミーティングがひとつずつ。 午前の方では、木彫りサークルが実現するかもしれない話になり愉しみ。 午後のミーティングは、システム作りや相談など2時間くらい。 明日の朝、上田で農民美術の講座をされている方が見学に来ることに。 二月十七日 朝から来客が続き、レーザーの対応、施設の案内などなど、ひと心地ついた頃には15時近くなっていた。 3世代で来たご家族、そのお子さんは3兄弟で、お父さんが製作している間も一生懸命遊んで、ひと足先に帰ることもな

          二月十六日〜二十二日

          二月九日〜十五日

          二月九日 東京から望月へ、バスで帰る。 車中ではオムラヂを2本。1本はミヒャエル・エンデの『モモ』がテーマの回。待つ、聴く、最後まで。分けてあげても減らないこと。どんどん分けてあげて自分がすり減っているとしたら、やり方を考えたほうが良いのかもしれない。自分を分けて人を助けるアンパンマンだって、ジャムおじさんがいないければ1回きりだ。 バスの中で、詩の朗読会へのお誘いをいただいた。 二月十日 トークイベントに参加するため、群馬は安中へ。碓氷バイパスを抜けて、家から1時間

          二月九日〜十五日

          二月七日〜八日 東京へ

          二月七日 6時過ぎに家を出て佐久平へ。ちょうど日の出の頃で、青から赤へ移っていく空の低いところに霧がかかり、その下に雪をかぶった屋根が並んで、何とも言えずきれいだった。霧が、空と人のいるところの境になっているようで、でも霧の端の方はぼやけているから、はっきりと分かれてはいない。 駅に着くと駐車場の入り口はまだ凍っていて、大きな車が動けなくなってしまっていた。駐車場の中にいた人が後ろから押したりして、なんとか脱出。駐車場の中も、雪を掻かないと停められない区画が多かった。

          二月七日〜八日 東京へ

          二月二日〜六日 埋めても消えない

          二月二日 午前中来てくれたお客さんが、パズルやスプーン作りにとても興味を持ってくれて嬉しい。気になっていたのだけどなかなか来れなくて、でもまた来ます!と言って帰っていく。 今日から3日間、機械を使うために京都からのお客さんが来る。厚めの合板を、手ではとても切れない曲線形に切り抜いていく。機械室も工房もフル稼働で賑やか。 少し早めに退勤し、上田へ。夕飯を食べに行く約束をしていたので、割引の効くガソリンスタンドで灯油を汲んでから向かう。久しぶりにインドカレーを。 帰宅後、旅

          二月二日〜六日 埋めても消えない

          みじかいお話 #6

          久しぶりの晴れ間だった。「晴れた日においで」と彼が言っていたから、こんな日を待っていた。 初めて会った時、彼は「森で暮らしているよ」と言った。それを聞いてから、僕はもうウズウズして仕方なかった。なぜって、僕は森に住みたいからだ。二度目に会った時は、どんな家なのか聞いてみた。すると彼は「今度、おいでよ」と言って、その日はそのまま帰っていった。 それからも、彼は「気が向いたから」「なんとなくね」と言って現れては端の方で微笑んでいて、ときどき言葉を置いていった。石を並べるみたいに。

          みじかいお話 #6

          二月一日 真っ白に光った

          6時過ぎまで眠れて、外がぼんやりと明るくなっていた。夜中に雨が降っていたようで、冬にしては暖かい朝。 10時に現地調査が始まり、外構から見ていく。水の溜まりやすいところ、雨樋が無いところ、屋根の継ぎ目などを教えてもらう。それから中に入り、ひと通り見て間取り図を作り、写真を撮り、天井高、窓や戸の大きさ、段差などをひとつひとつ測ってメモ。今後の打ち合わせのための材料を、2時間ほどで集められるだけ集めていく。 図にしたり測ったりするために普段使わないところもまじまじと見ることにな

          二月一日 真っ白に光った

          一月三十一日 買えない時間

          4時過ぎに目が覚め、本を読んだりボーッとして5時過ぎに起き出す。去年作った冊子を増刷するために、裁断までやってから朝の支度。 家の改装のことを教えてくれる方が、明日現地調査にやって来る。普段使っていない北側の部屋や2階も見るだろうから、今日のうちに掃除をしておく。2階には2部屋あり、片方の部屋は引っ越してからもほとんど手付かずの状態で、掃除機をかける前に掃き掃除から始める。天井が無く、壁に隙間があったりして半分外のような部屋なので、掃除にもちょっと気合いが要る。 全ての部屋

          一月三十一日 買えない時間

          一月二十六日〜三十日 違和感をひとつひとつ

          一月二十六日 煮詰まっているというよりも、小さな違和感をひとつひとつ受け取るうちに空きがなくなっていくような感じかも、と思えてきた。あぁ、そうなるのね、と感じるくらいで、違和感の理由を考えたりはしていないけれど、重なってくると一杯一杯になるよう。何と言われても自分はこう!というのはあまり無く、かといって自分の感覚は閉じ込めきれず、ゆらゆらしているのだと思う。 先日縫った布が木のフレームに額装されて、作品になって帰ってきた。クリとケヤキのフレーム。フレームの作者は、数日後に

          一月二十六日〜三十日 違和感をひとつひとつ