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🟦SiCパワーデバイス市場 2024年
減速する成長と新たな潮流
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🟦SiCパワーデバイス市場 2024年
SiCパワーデバイスの業界収益の年間成長率は、2024年には前年に比べて大幅に減速すると予想されています。 2023年にはBEVの普及拡大により市場は大きく成長しましたが、2024年以降は成長率が減速する見込みです。しかし、AIサーバーや産業用ロボットなどの分野におけるSiCパワーデバイスの採用拡大により、市場全体としては引き続き成長していくと予測されます。
2023年には、ST、オンセミ、インフィニオン、ウルフスピード、ロームといった主要SiCサプライヤー5社が市場シェアの大部分92.2%占めました。これらの企業は、SiC工場の建設や生産能力の拡大、技術開発などに積極投資しており、今後も市場シェアの拡大を目指していくと予想されます。
🟦規模の経済が重要
SiCパワーデバイスの製造には高度な技術と設備が必要となるため、生産量を増加させることでコストを削減することができます。そのため、規模の経済が重要視されており、大手IDMメーカーは積極的な投資と生産能力拡大を進めています。
主要SiCサプライヤーの動向:
STマイクロ: フルプロセスのSiC工場建設、中国合弁工場稼働予定。
オンセミ: SiCウエハー工場拡張、GTAT買収によるSiC基板材料自給率向上。
インフィニオン: 自動車事業堅調、生産能力拡大加速。
ウルフスピード: 材料生産能力大幅増加、自動車グレードSiC基板向けSiC材料で先行者利益。
ローム: ソーラーフロンティア国富工場買収、8インチSiC基板生産開始予定。
🟦まとめ
SiCパワーデバイス業界は、今後ますます成長していくと予想されます。その中で、各社は技術革新とコスト削減を進め、競争力を強化していくことが重要となります。また、AIサーバーや産業用ロボットなどの新たな市場開拓も重要な課題となります。
規模の経済が重要となると、大手であるインフィニオンが有利な立場に立つことが予想されます。ロームが市場での優位性を確立するためには、先行者利益を確保する必要がありますね。
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