🟦インドのテソルブ、独ドリーム・チップ・テクノロジーを買収

Hero傘下のインドの半導体エンジニアリング会社テソルブが、ドイツのIC設計会社ドリーム・チップ・テクノロジーを買収しました。

Tessolve to Acquire Germany’s Dream Chip Technologies in ₹400 Crore DealTessolve to Acquire Germany’s Dream Chip Technologies in ₹400 Crore Deal

🟦インドHero傘下のテソルブによるドリーム・チップ・テクノロジー買収の

　テソルブはインドの大手オートバイメーカー「Hero」が所有する半導体エンジニアリング会社です。今回ドイツのIC設計企業「ドリーム・チップ・テクノロジー（DCT）」を約72億円で取得しました。DCTには100人以上のエンジニアが在籍しており、この買収によりテソルブの技術力とビジネス基盤がさらに強化され、インド国内外での成長が期待されています。また、テソルブはすでに世界10か国に3000人以上の社員を抱えており、今後4年間でさらなる規模拡大を目指しています。

ドリーム・チップ・テクノロジー（DCT）とは？

　DCTはドイツでも大きなIC設計企業で、特に自動車用の「ビジョンシステム」の設計に力を入れています。ビジョンシステムとは、車が周囲をカメラやセンサーで検知し、物体を識別するための技術です。これにより、安全で快適な運転がサポートされ、自動運転技術の発展にも重要な役割を果たします。DCTの技術は、こうした未来の自動車市場でますます重要になっていくと期待されています。

🟦インドとドイツの半導体市場の拡大背景

　インド市場では、経済成長に伴い二輪車の需要が拡大しています。そのため、テソルブは半導体技術の強化を進め、二輪車向けのさまざまな電子機器に活用しています。一方、ヨーロッパ、特にドイツは自動車産業の中心地として有名で、先進的な運転支援システム（ADAS）やAIを活用した自動車技術の開発が急速に進行中です。

　DCTは特に、これらの技術で重要なASIC（特定用途向けIC）、FPGA（プログラム可能なIC）、組込ソフトウェアの設計を得意としています。これらの技術を通じて、今後の自動車やAI産業における成長が大いに期待されています。　　

🟦 まとめ

Hero傘下のテソルブによるドリーム・チップ・テクノロジーの買収は、インドとヨーロッパの半導体市場における成長を促進する重要な動きです。特に、自動車分野での技術強化は、両企業にとって戦略的なメリットをもたらすことが期待されます。

　インドの自動車メーカー「タタ・モーターズ」が英国のジャガー・ランドローバーを買収したように、今後もインド企業が半導体分野でヨーロッパの企業を買収する機会が増えていくかもしれませんね。