ルネサス 工場火災からの復帰の日数は?
ルネサスエレクトロニクスは那珂工場が火災前の生産水準を回復したと発表した。
🟩97日で生産水準100%に回復
2021年3月19日ルネサス セミコンダクタ マニュファクチャリングの那珂工場「N3棟」で火災が発生した。6月24日夜に火災前の生産量を確保できる体制が整ったので、火災発生から97日で生産が回復したことになる。
ルネサスによると4月17日に生産を再開した「N3棟」は、5月末日時点で火災発生前対比で88%の生産能力に復帰していた。つまり火災発生から29日間で生産を再開、73日で生産量が88%となった。
生産水準は100%に回復したが出荷までの工程があるので、出荷量が正常化するのは7月3週目になる見込みとなる。
🟩「火災前の出荷水準」の目標は100日前後
ルネサスは火災前の出荷水準に戻る目標を、火災発生から100日前後としていた。7月第3週に出荷水準が100%に戻ったとすると火災発生から115日ということになる。おおよそ目標通りに達成した。
🟩代替生産も順調
「N3棟」の生産品の内、約3分の2が技術的にはルネサスおよび外部での代替生産が可能だった。そのため別工場やファウンドリを活用する形での代替生産が進めるという計画だったが、順調に代替生産も進めたとのこと。
🟩業績への影響
ルネサスの当初の発表では「N3棟」の生産能力が100%に回復するまでに、仮に1.5か月かかった場合は約175億円、2か月かかった場合は約240億円の売上への影響となると発表している。
2021年4月28日公表の連結業績予想では約239億円の減益なっていた。生産回復は2ヶ月と予測していたようだが、実際の回復には3か月ほどかかっている。
🟩まとめ
ルネサス工場火災から97日で生産回復
ルネサスの火災からの復旧は、ほぼ目標どおりに達成できた。代替生産を進められたことは、半導体不足への対応としても役立つ。
ルネサス火災の影響は車載半導体不足のきっかけになっているため注目も高かった。そのためルネサスの情報公開もタイムリーでオープンな対応だった。今後のルネサスには期待ができそうだ。