米国の半導体補助は中国のため?
アメリカの半導体製造と研究を強化するというホワイトハウスの報告書
🟩中国を意識した国内生産回帰
米国イノベーション・競争法案 (USICA: United States Innovation and Competition Act)が上院で可決した
中国の競争力の高まりに米国が後れを取ることについて民主、共和両党が危機感を抱き、超党派で提出された法案
人工知能(AI)や米国の製造業と技術分野に2500億ドル(約27兆円)補助するもの、そのうち520億ドル(約5兆円)が半導体製造強化や研究開発向け
トランプ政権時代に提出された CHIPとAFAという2つの法案で370億米ドルの拠出が予定されていたが、バイデン政権が大幅に増額させた
AFA法案
: American Foundries Act of 2020
CHIPS法案
:Creating Helpful Incentives to Produce Semiconductors for America
🟩すでに脱中国になっている半導体
中国の競争力の高まりを懸念しているが、2021年現在 半導体の主要プレーヤーに中国の姿はない
Huawaiも2020年の米国関連の半導体禁輸の影響のため姿を消している
🟩後押しした ロビー団体
この法案は米国半導体協会(SIA)のロビー活動に後押しされたもの
さらに複数のセクターを横断する半導体企業のロビー団体 Semiconductors in America Coalition(SIAC)が立ち上げられた
GoogleやApple、Microsoft、Amazonなど大手ITベンダーが半導体企業をバックアップする体制
錚々たる顔ぶれのメンバーで構成されていて、更に現在の優位性を高める狙い
🟩中国の成長を先読みした動き
こういったアメリカの政策は経済、国家安全保障のため中国にチョークポイント(弱み)を握られないための動きとなっている
ホワイトハウスの報告書には4品目の懸念が上げてある
・重要な医薬品
・高度なバッテリー
・重要な鉱物
・半導体
これらの製品の供給を中国依存すると突然供給ストップというリスクを許容できないとということ
当然ですが中国は独自に半導体産業を成長させていくとことになってしまうけど
🟩まとめ
米国の半導体産業補助は、中国独自の半導体成長を促してしまうが、安全保障を考えた先読み戦略
日本メーカーに補助金の520億ドルの恩恵があるのか気になるところではあるが
日本も他国にチョークポイントを握られないよう先読みした政策が必要かも、エネルギー分野とか、、、