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🟦ZFが30億ドルプロジェクトから撤退?

 ドイツの自動車部品メーカーZFが、米国の半導体メーカーウルフスピードとの30億ドル規模の半導体製造プロジェクトから撤退するというニュースが報じられました。

https://www.reuters.com/business/autos-transportation/zf-pull-out-wolfspeeds-german-chip-plant-reports-handelsblatt-2024-10-22/

🟦ZFが30億ドルプロジェクトから撤退?:プロジェクトの再検討

 2023年に発表されたZFとウルフスピードの共同プロジェクトは、ドイツでのSiCパワー半導体の製造を目指していました。しかし、半導体需要の予測が弱まり、欧州市場への参入価値が疑問視されたことから、ウルフスピードはプロジェクトを一時保留としました。これに伴い、ZFもプロジェクトから撤退する意向を示しています。ZFはドイツのザールラント工場に1億8500万ドル(約2800億円)を投資する計画でした。

ZF

 ZFはドイツに本社を置く、自動車部品の大手メーカーです。特に、車のトランスミッション(変速機)や安全技術、電動車両用の部品で有名です。近年は、電気自動車(EV)向けの技術開発にも力を入れています。

ウルフスピード

 ウルフスピードは、アメリカに拠点を置く半導体メーカーで、特に電気自動車や再生可能エネルギー向けの「パワー半導体」の分野で高い技術力を持っています。

🟦プロジェクト撤退の理由

 ウルフスピードがプロジェクトを保留にした大きな理由として、半導体需要の低下りや電気自動車市場の需要低迷が挙げられます。特に欧州市場における電気自動車の成長が期待されたほどではなく、状況を受けて、プロジェクトの継続価値を再評価する必要が生じたとされています。加えて、エネルギーコストの高騰や規制の厳しさも、ドイツでの生産活動に対する懸念を増大させています。

🟦まとめ

ZFとウルフスピードのプロジェクト撤退は、欧州の半導体業界に大きな影響を与える重要な出来事です。今回の動きは、電気自動車市場の需要の低迷や生産コストの問題が原因であり、ドイツの製造業にとっても深刻な課題を提起しています。

 ウルフスピードのように、インテルもドイツでの工場建設を延期しており、TSMCもまだ着工していません。補助金の決定が遅れると、プロジェクト自体がキャンセルされてしまう可能性もあるようです。一方、日本のTSMC工場建設が順調に進んだのは、スピード感を持って対応したことが大きな要因でしょう。


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