世界3位のファンドリーがシンガポールに工場を新設する理由
世界第3位の半導体製造委託メーカーのGF (GLOBALFOUNDRIES) がシンガポール工場に、新たな300mmウエハー工場を建設すると発表した。
🟩半導体不足に対応するため
GFはシンガポール、ドレスデン、米国に工場を所有している。現在、全て地域のキャパが埋っており、工場新設により生産量増加を計画している。
工場新設の目的は、世界的な半導体不足による需要増に対応するためだ。シンガポールの新工場は2023年から量産稼働することを目指している。
🟩どのくらいの生産能力が増えるか
新設する工場には2万3000平方mのクリーンルームが構築され、300mmウェーハのラインを新設する。年間45万枚のウェーハを処理できるようなる計画、GFとしてのキャパの総量は年間150万枚となります。
GFは3地域のファブすべての能力を拡大し、理想的にはシンガポール、米国、ドレスデンの間で能力を均等に分割することを目指しています。
🟩半導体の需要増はいつまで?
新工場は最先端のプロセスではなく 自動車、5G、セキュリティの向けのレガシープロセスを対象としている。自動車は現在半導体不足が深刻になっている分野となり需要増はしばらく続きそうだ。
またAMDは2022年から2024年にGFから16億ドル相当のウェーハを購入する契約を更新したことが明らかになっている。
https://ir.amd.com/sec-filings/content/0000002488-21-000068/amd-20210513.htm
AMDとの契約も含め、GFは需要増はしばらく続くと想定している。40億米ドルといわれる建設費もンガポールの経済開発庁の補助があり事業化の判断がされた。ちなみに、今回の工場新設により、エンジニアを含め約1000人の雇用が創出される。
🟩まとめ
半導体不足に対応するためにGF が新工場を新設
レガシープロセスで需要が増えている領域を狙う
日本にも半導体生産を戻す計画があるなら、シンガポール政府ように強いバックアップが必要でしょう。