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少人数学級の実現に向けて

教育再生実行会議の初等中等教育ワーキング・グループは会合を開き、
少人数によるきめ細かな指導体制や環境整備が急務とする方向性を確認しました。現在日本の学校は1学級40人以下(1年生は35人以下)というのが標準です。

1年生は、学校生活の基礎を築くべき重要な時期ということで、他の学年よりも少なく設定されています。

「基準から5人減ったって大した差はないのでは・・」
と思われるかもしれません。
 

例えば学年に児童が80名いた場合、1クラス40人以下であればちょうど40人、40人の2クラスになりますが、1クラス35人以下を標準にしておくと、27人・27人・26人の3クラスになり、1クラスあたりの人数が標準よりも一気に減ります。

2019年度の段階で少人数学級を導入している自治体は67あります。1学級あたりの人数が減れば、今年のように感染予防対策を取らないといけない事態が起きた際に対応がしやすいという点はあるように思いますが、その他にどのような効果があるのでしょうか。


【学力は上がるのか】

少人数学級にすることだけでは「学力をあげる」という効果はあまり見られないということを示した先行研究がいくつかあるようです。少人数学級を導入したことで新しく何ができるようになるのかを教師が意識しておかないと、「子どもの数が減って、授業がしやすい。」だけでは、「学力」という面で見ると効果が薄そうというのも頷けます。


http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/5677/00000000/hp.ppt

一方すでに1、2年生で少人数学級を導入している大阪府の報告を見ると、
少人数になることで目が行き届きやすい、細かい対応ができ、さらには学力の向上も見られたことがわかります。基本的な生活習慣や学習習慣を身につけることが大切な下学年での導入には効果が高いのかもしれません。


【最後に】
教員の数が十分であれば学級数を増やしたり、教科によっては少人数指導を導入したりすることもやりやすいのかもしれませんが、現状それがどこまで実現可能なのか、そして感染予防対策以外での効果がどこまであるのかは慎重に議論されるべきだと思います。

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