cottage
小別荘
子どもの裸足が
夜露にぬれる 背の低い草を
ふんでは 翠髪、
山は煙る
とおくから流れてきた 霧の
おそろしさも介せず
子は咲っている
母の弦が弾かれ
こぼれた七音の
漂う
みずの粒とともに
この夜を覆う雨がはじまり
音の靄は
うつろっている
あの山脈まで
ゆくのだろうか
いつかたどり着く高山
ここへ立っていようか知ら
すでに失ったものだとしても
よるは閉じているのだから
当たり前のように
ぬれる
子どもの裸足が
小別荘
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