vol.211/ 人の心なんてものは
すっかり秋、気付けば10月も真ん中じゃないかと途端に焦る気持ち。今年も残り2ヶ月半なのだという事実がより急かす。でも例年との違いは、とってもとっても自分が穏やかで居られている感覚があるということ。もちろん今年が終わるー!の気持ちはあるけれど、やっぱり今までと違う。特に昨年の今頃は目がまわる勢いで台風のように過ぎ去ったが、今年は実に穏やか。毎日色々なことはあるけれど、穏やかに過ごせているというのはなんて心地良いことなのだろうか。
季節が変わるタイミングで衣替えをし様々なものを見直すと、自分のマインドも整理整頓されていく気がするから好きだ。季節の終わりに、その季節のあれやこれやを振り返りながら次の季節に備えたり、次の季節や年に持ち越すものもあれば、持ち越さずにサヨナラするものもある。その見極めを粛々と進めるうちに、今の自分が浮き出てくるような、そしてずっとモヤモヤ抱えていたものに対して何か答えが出るような感覚になるのだ。
一年半に渡りものを減らしてきたが、私はミニマリストなのではなく、今の自分にフィットするものたちに総入れ替えしたのだと改めて気がついた。そうしたら気持ちがとってもとっても晴々してきた。自分に鎧を着せるような、良く見せるための服はなくなり、今の自分が気持ち良く心地良く着られる服がクローゼットに仲間入りした今、私の心も軽やかにフワッと風通しが良くなった。見た目にもキャッチーでアイコニックなバッグやシューズは持ったら重いとか履いたら痛いとか、どこか我慢が必要で小さなストレスになっていることに気付いてしまったからサヨナラすると、シンプルで洗練されたバッグやシューズが今度は仲間になって並んだ。私の好きが散りばめられているそれらはどれも推しアイテム。びっくりするくらい様変わりだ。だって自分のマインドも一年半前とはまるで違っているから。
そこで思った。
人の心なんてものは
うつろいやすいものだから
だからこそ、今の自分にフィットしているかはとてもとても重要な軸なのだ。持ち物も住まいも部屋も仕事も人間関係も自分の心も、全てがリンクしている。そして止まることはなく、前へ前へ進む。時に止まったような感覚になることがあるかもしれない。だが止まっているのではない。ゆっくり、だが確実に進み続けているのだ。だからこそうつろいやすいし、うつろって良いのだと思う。仕事も変われば、住む場所も変わるし、好みも変われば一生使おうと決めて買ったものもサヨナラする時がくるかもしれないし、いただいたものが好みじゃなくても使ってみたらとてつもない逸材だったなんてこともある。うつろいやすいのは甚だわかりきっていることであり、ならばうつろって良いを心底楽しめば良いじゃないか。
人の心なんてものは
うつろいやすいものだから