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【Shake it off. vol.038】 また旅できる日を願って ー Spain 2019.2/⑥

スペインへ旅立つ一ヶ月前。
私はあることを実行しようと思いバルセロナのレストランを探していた。ちょうど旅の間に誕生日を迎える彼、それなら現地でお祝いしたいしちょっとでも心に残る特別な夜になればいいなーということで、レストランでちょっとしたケーキを出してもらって、プレゼントもそこで渡そう!と計画していたのだ。
あまり堅苦しくなくって、リラックスできる雰囲気のお店。でもtheスペイン感も諦めたくない。という理想を掲げて、そして見つけた
【Los Caracoles /ロス カラコレス】
かたつむり🐌という名のレストランが気になり、早速メールをしてみる。サプライズケーキについて話したらとっても丁寧に返信が来て、やってもらえることになった。あとはプレゼントをバレないように手荷物に忍ばせて、お祝いしよう。




バルセロナ入りしたその日にグルグル街を歩き回り、サグラダファミリアを見て涙し、感情の波の忙しさに疲れ切って一旦ホテルへ戻った。ここへ来て時差ボケや旅の疲れもちょこちょこ見え始めた。が、それより私はこれからのサプライズにハラハラドキドキしていた。ちゃんとお店側は覚えているんだろうか、今日だよ、ケーキ出してくれるよね?と。笑



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写真を見返してみて、もう少し撮っておけば…!!!と今更ながら思った。使える素材が思ったより無い…!!!しかしお店は写真で見たより老舗感があって素敵な趣。中に入って驚いたのが、調理場の中を通り抜けてテーブルに案内されるところ。こんなところ歩いていいの?と思いながらも、調理に取り掛かるシェフ達を横目にウキウキしながら席についた。店内はやっぱり歴史を感じる空間。壁にはたくさんの古い写真が飾られている。予約した時間が早かったから私たちの他に2、3組だけで贅沢に空間を楽しむことができた。ただ料理を頼むのにちょっと一苦労、言葉の壁で聞いても分からず思いもよらないものが届いたりした。が今となってはこれも旅の良い思い出だ。そしてスペイン4日目にして初めて食べるパエリアは、やっぱり美味しかった。その後ソワソワしていたケーキのサービスも実にスムーズに行ってくれた。(でもやっぱり不安でお手洗いに立ったフリして、約束していたアレ大丈夫だよね?と確認したけど)照明を消して音楽をかけながら、そしてウェイターも歌いながらケーキを持って登場してくれ、彼は照れ笑いした。ちょっと恥ずかしかったかな?と思いながらも喜んでくれていることが分かって安心した。テーブルに置かれたケーキは良い意味で飾らない、でも特別なケーキだった。



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一見厳格そうな風貌だったウェイターの彼が歌を歌いながら祝ってくれた。それだけで心が温まった感じがしたし、サプライズをしてもらうことも嬉しいんだけど行う側も嬉しいんだってこともより強く分かった。誰かを思って行動すること、形にすること、その前に想像することからサプライズは始まっている。その過程に愛がたっぷり詰まっているんだから。それはプレゼント選びだってそう。相手がいてはじめてできることだと思うと、それってなんて幸せで愛がいっぱいなんだろうと思うのだ。
そうそう、ずっと旅の間持ち続けていた彼へのプレゼントは、素敵な包装もクシャクシャになってしまっていたけど無事渡すことができた。それは2年経った今でも使い続けてくれていて、それを見る度にこの時のことを思い出すし、私にとっても特別な夜になったことは間違いない。
【特別】って案外自分で作り出せる。
そして全ては想像から始まるということも胸に刻んで。



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食べ終わりレストランを後にした私たちは、市場を抜けてホテルへ戻った。夜でも市場は大繁盛、人の多さにビックリしながらもカラフルなフルーツや見たこともない野菜たち、何種類あるか分からないオリーブオイルに大興奮した。こんな元気でカラフルな市場が近所にあったら私、毎日通ってしまいそう。笑
まだまだ見たいところはあったけど、今回の旅で唯一予約していた明日のサグラダファミリアツアーに備えて休むことにした。旅ももうすぐ終わってしまう、悪い癖と分かっていても楽しいことのちょっとした瞬間にこう思って切なくなるのは昔っからだ。明日も最高の日にしよう、たくさんの刺激を感じて、目にも焼き付けて。



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