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【Shake it off. vol.035】 また旅できる日を願って ー Spain 2019.2/③

帽子屋さんを後にし、旧市街からMuseo Guggenheim Bilbao (グッゲンハイム/ビルバオ美術館)を目指す。街を走るトラムでも行けたのだが、ここは歩いて向かうことに。走るのは得意じゃないけど、徒歩ならどこまでもどこへでも行けちゃうから不思議。

だからだろうか。
ちょっと前にあんなに朝食をいただいたのに、お腹は空くもので。人間ってよく出来ている。宿泊先のホテルから割と近い場所にこぢんまりとしたバルがあった。きっとここで長らくお店を構えている、そんな雰囲気の小さな、それでいて安心感を与えてくれるような店構えに私たちも誘われたかのように入っていった。



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最初に言ってしまう。この旅で一番美味しすぎて感動したのがこのTortilla de patatas(トルティージャ・デ・パタタス)だった。ジャガイモ入りのオムレツなのだが、スパニッシュオムレツを連想するとちょっと違うから(いや結構違うから)ビックリすると思う。中がとろっとろで、本っ当に本っ当に美味だった…!!!スペインのバルにはどこにでもあるこのトルティージャなのだが、このお店以上の美味しさのトルティージャはなかった。店内には常連のお客様が2人ほどだったか、店主であろう男性と話をしながらゆったりと食事と会話を楽しんでいた。土曜日の朝、人生の豊かさってきっと日常のこんな一コマで、小さな自分だけの幸せを積み重ねていくことなんだろう。と、トルティージャとビールをいただきながら思った。きっと午前中から飲んだビールのせい。でも素敵な気づきをありがとう。
さあ目的地へまた歩き出さなきゃ。



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ビルバオの街はどこを歩いても美しかった。そこまで高い建物がなく、朝降っていた雨も上がって青空が視界いっぱいに広がる。そして川沿い好きな私にはたまらない街でもあった。もっともっと歩くことが好きになったしいつかこの場所に住みたい!なんて心に誓ったりもした。そうこうしていると美術館正面のエントランスに大きな犬のアートが見えてきた。名前はパピー。やっと会えたね、パピー!!!



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中に入ると流石土曜の昼過ぎ、多くの来場客で溢れていた。私たちも含め皆がアートを見上げ、大人も子供のように目をキラキラ輝かせていた。そこは日本では見たことのない大きな吹き抜けになっており、光が差し込みとても明るい。入ったそばから巨大なアートが待ち構えていたり、美術館の広さは尋常じゃなく何時間でも楽しめる。ダイナミックで圧倒的なパワーをぐんぐん感じた。表現するって実に豊かで、それでいて私たちに向けて問いを投げかけてくるものなんだと、つくづく思う。私もこんな表現者でありたいな。

何時間いただろうか、かなり歩いて歩き回っていろんなものを吸収した良い疲労感をお互い感じて外へ出た。
雷と、おまけに雹まで降ってきた。
ビルバオは海も近いが山も近い、自然に囲まれた美しき街。それもあってか天気がころころと変わる。雨宿りをしていて気づいたけど、みんなバッグに折り畳み傘を常備している。ホテルに置いてきてしまったけど明日からの旅では持ち歩こう。




1日目にしてこの街の特徴を少しばかり掴んだような気がして嬉しかったし、アートを見上げるキラキラした目やのんびり土曜日をスタートさせる人々の姿に暖かさや湿度を感じた。この旅が終わりまた日常に戻った時、これらの気付きや経験をどう活かそうかどう表現していこうか、なんてことまで考えながらホテルまでまた歩いていた。さっき降った雹がまだころころと地面に落ちている。
旅の教訓、折り畳み傘はバッグに忍ばせて…!
明日は空港で出会った日本人の彼女に教えてもらったサンセバスチャンへ行こう。行き方も何にも調べていない気ままな旅は、ワクワクを加速させる。




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