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【Shake it off. vol.047】 また旅できる日を願って ー Spain 2019.2/spin-off→→→KATSU CURRY

2年前の1週間程度の旅だったけど、一生笑い話にできたり生涯思い出話に花を咲かせられるだろう経験をたくさんたくさんできた旅だったと思っている。(7回に渡り旅の記事を書きました。まだの方は是非!)



それは何もここで書いたスペインの旅だけでなく、これまでの旅も同じことが言えてやっぱりまだ旅が安易にできない今も(だから、なのか)あの時のあれほんとに忘れられないよねー!とか、鮮明にカラフルに何より生き生きと蘇ってくるものだ。




旅は人の記憶の中で生き続ける。




旅に出る前、周りからよく言われていた言葉がある。
即席味噌汁持っていったほうがいいよ
納豆が恋しくなるよ

飽きるから



いやいやいや言っても7日間だしスペイン料理美味しいし、比較的馴染みのある味だしさ、なんの問題もないよ!と返答していた私に今ならこう伝えるだろう。



折り畳み傘と同じくらい、即席味噌汁は旅に必要だ。と。(どれほど折り畳み傘が必要かという話は③の記事を読んでみてください。)確かに美味しかった、本当に何を食べてもバスク料理もスペイン料理も美味しい。だけどだけどやっぱり、味噌汁が恋しくなった。たった1週間でも。
前置きが長くなってしまったが、これは旅したスペインを離れトランジットしたフランスCDG空港での出来事。私たちのププッっと笑える忘れられない旅の思い出話。



spin-off→→→KATSU CURRY


ほんの1週間ほど前この地に初めて降り立ち、CDGに感動する自分を待ち望んでいたが現実は正反対。全速力で広すぎる空港を駆け抜け、目の前を乗るはずだったビルバオ行きの飛行機が颯爽と飛んでいくのを見送った、あの別の意味で思い出の場所に再び戻ってきた。(この話は①の記事に書きました^^ほんと笑えます。)色々と終わったな、と感じた記憶と共に少しまたこの旅が私を強くしてくれたな、とも感じながら行きでは全く堪能できなかったこのCDGを帰りは楽しもう!と意気込んでいた。
とは言えまずは腹ごしらえ。そしてヨーロッパ7日目ともなると先ほど書いたように脳内には日本食食べたい恋しい和食はどこじゃー!!!音頭が漂う。それは隣の彼も同じだったようでとりあえず日本食出してくれるお店に入ろう、そうしよう。という結論は言葉を介さずとも阿吽の呼吸で分かち合えた。




やはりここフランスでもSUSHI、RAMENが人気なことが分かる。お店も多いけど、テイクアウェイできるお店でもクロワッサンとサラダボールの脇にSUSHIが置かれ売られている。そしてこれはサンドイッチかな?と勘違いしそうになるくらい日本では見ない具材が挟まっていたり、或いは巻かれた不思議なSUSHIのオンパレードなのだ。
流石に私たちもSUSHIには手を出せずにいた。
それより何より惹かれたのが、
フランスのSUSHI屋さんのKATSU CURRYだった。もうお店の名前も忘れてしまったけど(おそらくあの店だったろうというのはあるが)何せ写真を1枚も撮る余裕もないほど激しく脳内カツカレーだった私たちは若干怖いもの見たさもありながらようやくあの懐かしい味に辿り着ける…!と喜んで着席し注文したのであった。



そして出てきた、これがフランスのKATSU CURRY。思っていたより見た目は普通にKATSU CURRYで安心しそれを見てより高ぶる私たち。少し躊躇して2人でひとつの注文にしたことを責めたくらいだ。そして食す。

うん!うん!
うん。
う?
あれ?
あ?

すっぱい。
すっぱいぞ。
何かが違う、
いや結構違う。



そうだ、酢飯だ。



ようやく私たちはフランスの地を訪れているということを心底実感した。そうここは日本から飛行機で12時間かかるフランス、パリ。と同時にやはりそこには物理的な距離が存在している。どれだけグローバル化してもどこでもどこにいても世界と繋がれる時代においても。と話を戻す、誰か教えてあげて欲しかった。酢飯でカレーは食べないことを。…と思ったけど、どこを見回しても日本人はいない。
そりゃそうかあはは。
ただ私たちはこの出来事がこの味が、忘れられない思い出になり何なら身体中に染み渡ったわけで。
酢飯katsu curryにとてつもなく感謝した。(し、している。)
すっぱかろうが、酢飯がべちゃべちゃだろうが凄まじい安心感に包まれたし、やはり私たちは日本人であるということを心底実感させられた出来事だったから。




ちょっと真面目な話をしたい。
国外の旅に出たり日本人以外の人々と話をする度、決まって日本人であることを問われると私は思っている。何を隠そう私は日本で生まれ育った日本人。それなのに外国人の友人に日本のことについて質問をされた時、知らない伝えられない、そんなことが過去にもたくさんあってその都度落ち込んだ。

そう私たちは生まれ育ち身を置く日本のことを、全然知らなかったりする。

こうして日本じゃない場所でやっと実感が湧き、日本って日本人って、そして私って、と初めて考えられるものなのかも知れない。
決して比較し良い悪いのジャッジをしようってことじゃなく、海外に目が向けば向くほどに日々当たり前に暮らす日本のことが見えてきて、世界のカルチャーを知り日本のカルチャーがまた別の姿形で浮かんできたり、世界史から日本史が見えてくること、またそれらから私たち、そして自分の在り方まで見えてくるってことが往々にしてあるように思うのだ。
だから私は世界に興味が尽きないし、もっと知りたい日本人として。って思うんだろう。




真面目な話だったのか逸れただけだったかもしれないがフランスの酢飯KATSU CURRYは確かに、“日本人である私たち”を気づかせてくれたことのひとつで、日本でカツカレーを見る度食べる度、ププッと思い出し笑いできることのひとつにもなった。



こうした貴重な経験をたくさん与えてくれる旅がまたできる日を願って…!


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