【怖い話】 ぼーだーの動画 【「禍話」リライト⑦】
家庭教師をしていたことのある、Bさんの話。
Bさんは、高校受験を控えた中学生の女の子・A子さんを教えていた。
その家は、ご両親にお兄さん、A子さんの4人家族。平和を絵に描いたような家庭だったそうである。
A子さんは出来のよい娘さんで、礼儀も正しく、教えるのに苦労はなかったという。
ある日のこと。先生、勉強とは関係ないんですが、相談があるんです……とひそめた声で言われた。
オッ、恋愛の悩みかな? よーしまかしとけ! と興味津々で聞き始めたが、全然そうではなかった。お兄さんのことで困っているらしい。
青春トークじゃないのか……と思いつつ、相談には乗ることにした。
家庭の教育方針で、A子さんとお兄さんは1台のパソコンを共有する形で使っている。
そのパソコンが、どうも最近重い。やけに重い。
自分は負荷をかけるような作業やゲームはしていない。ウィルスなどでもなさそうだ。となれば、お兄ちゃんが原因だろう。
お兄さんは高校生である。このパソコンはネットにも繋げる。
妹さんがいない時間なら、エッチなサイトやエロ動画も探し放題だろうし、どこかにゴッソリと保存しているのかもしれない。そのせいでやたらと重いのではないか。
そうあたりをつけた妹さんは、パソコンの中を探してみることにした。勉強用やら下書きやら、わかりやすい名前のフォルダが並ぶ中、
ぼーだー
と書かれたフォルダがある。あからさまに怪しい。もう少し工夫すればいいのに、そう思いながら妹さんはそれを開いた。
想像通り画像や動画がたくさん保存されていたが、妹さんはうわっ、と思わずのけぞった。
グロ画像だった。
赤黒い色、土気色、ピンク色、何かが潰れているような様子の画像が目に飛び込んでくる。
本物なのか作りものなのかわからないが、とにかく兄がグロ画像を集めているようなのである。
お兄ちゃんがそんなものを集めていることもショックなんですけど、そのせいで重くなっているパソコンが、とても使いづらくて。
先生、今お兄ちゃんは塾に行ってるので、一回見てもらっていいですか? A子さんはそう結んだ。
……想定していた恋愛相談からは限りなく遠い内容で、Bさんはヘコんだ。しかもグロ画像である。そりゃあ、そういうのに一時ハマる青少年もいるだろうが、それをオレに言うのか。しかも確認してくれと。
こりゃ困ったなぁと頭を掻いたが、年上として女の子に頼られているのだ。断るわけにはいかなかった。
共用パソコンの前に座る。A子さんが見たことに勘づいたのか定期的に変えているのか、前回とは別のところに保存してあったようだが、フォルダ名が「ぼーだー」のままだったので、すぐわかった。
開くと、果たしてそのような動画像がずらりと並んでいた。事故現場や猟奇事件が主で、動物のモノも混ざっているように見える。何枚か開いてみる。
「ウェーッ、これはすごいねぇ……量も内容も……」
「そうですよね……」
「でもこういうのって、大概ニセモノだと思うけどなぁ……」
そう言いながらいくつかの画像を確認し終えた。ウ~ン、と唸りながら考える。
「とりあえず、本人に直接は言いたくないだろうからさ、親御さんにそれとなく伝えた方がいいんじゃないかなぁ」
他人の家庭の話である。奇策でも秘策でもない、ごくまっとうな意見を述べるにとどまった。
それにしても、「ぼーだー」というのはどういう意味だろう、とBさんは思った。人としてのラインを踏み超えていくぜ、みたいな意味なのだろうか?
次の訪問の日。A子さんが言う。
「お父さんに言ったら、お兄ちゃん叱られちゃって」
それはまぁ、そうだろうなぁ、とBさんは言う。するとA子さんは、
「一度全部消させられて、パソコンは軽くなったんですけど」と続ける。
「ちょっと確認してみたら、また『ぼーだー』っていうファイルがあるんです」
「エーッ」
「また集めてるみたいで……どうしましょう……」
どうしましょう、と言われても……じゃあそうなると……と困惑していると、玄関のドアが開く音がした。お兄さんが帰ってきたらしい。
あれっ、この流れは、と思ったらやはりA子さんが「先生がお兄ちゃんに話してみてくれませんか」と頼んできた。
Bさんはお兄さんの部屋を訪れることになった。結果的に“男同士の話し合い”といった状況になってしまったわけである。
「こ、こんにちは……はじめまして……」
お兄さんの部屋に入り、おずおずと切り出した。内気そうではあるが、根暗な雰囲気はない、ごく普通の高校生である。
「はい……こんにちは……」
「あのー、ぼく、妹さんの家庭教師をやってる者なんだけどね……」
Bさんは彼の気持ちを慮りながら、できるだけ柔らかく話をした。
妹さんが嫌がるから、共用のパソコンで集めるのはよくない。もし集めるなら、携帯に保存するなり、ひとり暮しを始めた時なりにした方がいい。そういうのを集めること自体はまぁ、否定しないから……
お兄さんはBさんの言をハイ、ハイ、と素直に頷きながら聞く。最後に「わかりました。すいません」と頭を下げるのだった。
(何だぁ、話せばわかるんじゃないかぁ……。やり遂げた……偉いぞオレ……)と安堵したBさんはついでに、あの小さな疑問について尋ねてみる気になったそうだ。
「ところであの、ファイル名の『ぼーだー』って何なの? 片仮名じゃなく平仮名の」
「ハイ、あれ、自分がよく行く、そういう掲示板にいる人なんです」
「『ぼーだー』さん、って名前なの?」
「ええ。やたらとそういうのに詳しくて、画像を貼ってきたり、動画を送ってきたり、『その事故のはここにあるよ』って教えてくれるんです」
「ははぁ、その人が提供してくれた画像だから、『ぼーだー』にしてあるの?」
「そうなんです」
「ぼーだー、って何なんだろうね」
「……人としての限界を越える、みたいなことでしょうか」
オレと発想が丸被りだな、と心の中で呟きつつ「いろんな人がいるもんだねぇ……」と、Bさんは独り言のように結んだ。
お兄さんとの話し合いは平和裡に終わった。これで一件落着だな、とBさんは思った。
だが、そうはならなかったのである。
Bさん側の都合で、1週間ばかり家庭教師の仕事を休んだ。その休み明けに訪問すると、A子さんがソワソワしている。どうしたの? と尋ねてみると、
「なんか、お兄ちゃん、具合が悪いらしくて」と答えた。
「詳しくは教えてくれないんですけど、送られてきた動画を観たすぐ後から、すごくふさぎこんじゃって」
「動画を?」
「はい。たぶん、グロいやつだと思うんです……高校もここ数日休んでて、両親も心配してるんですが、話してくれなくて……」
「そう…………」
これアレじゃん、またオレが行かなきゃならない流れだわ……。Bさんは半ば流されるように、「じゃあ……オレが聞いてみるよ」と侠気を出して、お兄さんの部屋をノックした。
お兄さんは、布団にくるまっていた。
「あっ、Bさん……」
お兄さんは少し救われたような表情で、Bさんの顔を見た。大丈夫? と近づく。
目がショボついている。髪はパサパサで、手入れもしていない。鼻の下や顎がうっすらと青い。本当にほとんど部屋に閉じこもっているようだ。
「あの……、『ぼーだー』から送られてきた動画を観たら、もうダメになっちゃって……」
「そうなんだ……」
「僕、もうああいう画像集めるの、やめます……」
「そうだねぇ……」
「本当にショックで……しかも『ぼーだー』が、他の人にも見せろ、見せろ、って言ってくるんです」
「大変だねぇ……」
「見せたか、見せたか、どう言ってた、どんな反応だった、ってしつこく聞いてくるんですよ」
「うん、うん……」
「でも、あんなもの、家族や友達には見せられないです……。あれ観たら心の傷になります…………」
「そうなんだね……」
「いろいろ観てきましたけど、本当に、あれだけひどいのは、観たことがなくて……」
「……………………それ、そんなにひどいの?」
Bさんの心の中で、好奇心がムクムクと頭をもたげはじめた。
山ほどのグロ動画像を見て慣れきっていた男子高校生が、こんな風になってしまうのである。
気になる。
「…………じゃあ、オレが、見てあげよっか……?」
「ええっ」
そんな、いや、赤の他人に見てもらうなんて、と断ろうとするお兄さんを、「君と妹さんのためだから。誰かに見せろって要求されてるんでしょ。ほらオレ、グロ耐性あるから、まかせときなよ」と説き伏せた。
実はグロ耐性はあまりなかったのだが、興味の方が勝ったのだった。
後日、Bさんのパソコンに動画が送られてきた。
しかし、いざ送られてくるとためらいが生まれた。なんせヤバい動画である。これは、とても一人では観られない。怖い。
Bさんには恋人がいた。彼女さんはそういうモノにめっぽう強いことを思い出したので、事情を説明した。
「なぁにがグロ動画よ」
彼女さんは啖呵を切った。上等じゃないの、そんなん怖くも何ともないし、内臓や血なんてなんぼのもんよ、あんたねぇ女は毎月、と叱ってくるのをゴメン、マジでゴメン、と押しとどめて、二人で並んで視聴することとなった。
ドンと来い、といった様子で座る彼女さんを横に、Bさんもパソコンの前に腰を下ろす。
緊張しながら、Bさんは再生ボタンを押した。
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「ハッピバースデー トゥーユー
ハッピバースデー トゥーユー」
何十人もの合唱が響いて、動画が始まった。
ケーキが映し出された。
大きめの、立派なホールケーキである。細いロウソクが十数本立っていて、その先に小さく火がついて、ちんまりとチラチラ燃えている。
撮影は室内で、ほんのりと薄暗い。
ケーキの前には女の子が座っている。制服を着ていて、高校生だろうか? ごく当たり前にいそうな、かわいらしい子だ。
ケーキが置かれたテーブルの周りを、30人ばかりの老若男女が取り囲んでいた。
「ハッピバースデー ディア キョウコちゃーん
ハッピバースデー トゥーユー!
おめでとうー!!」
歌が終わると、女の子がふぅーっ! とロウソクの火を吹き消す。
「わぁー! おめでとうー!! おめでとーー!!」
全員が楽しそうに、拍手をしながら祝福している。
「ありがと~! ありがと~!!」
女の子は心底嬉しそうに感謝の言葉を告げた。
…………誕生日パーティーの動画だ。どう見てもそうだ。
Bさんも彼女さんも、「これ……ただの誕生日パーティーだよね……?」と困惑するしかなかった。
参加者ひとりひとりから女の子に、綺麗に包装された箱が渡される。プレゼントだ。女の子は「わぁ~! ありがとう~!」「ホントうれしい!」と喜びながらもらっている。
女の子の表情にも動きにも、演技、という感じがない。おかしな様子もない。全くない。
普通に、誕生日パーティーで、プレゼントをもらって、嬉しがっている女子高生。そうとしか見えない。高校生くらいからお年寄りまでいる出席者たちも同様である。平和な光景だ。不穏な様子などひとつとして見当たらない。
「……なにこれ?」Bさんは呟いた。「これがどうして寝込むほどのグロ画像になるの?
「ほらアレじゃないの」と彼女さんが返す。「途中でグロいのがギャアーッと出てくるビックリ動画。アレよ」
そうかアレか。なるほどな。じゃあちょっと、距離とって観とく? ビックリしたくないし…… と念のため、2人はちょっぴりパソコンから距離を置いて座り直した。
女の子は、幅広い年齢層の出席者から、丁寧に1箱ずつプレゼントをもらい続ける。テーブルの上にかわいい箱や包みがどんどん増えていく。
彼女はひとりひとりに、ワァーありがとー! すごーい、ありがとうございますー! と素朴にお礼を言う。その挙動に嘘臭さはやはりなく、心底幸せそうな顔だ。
カメラは女の子を中心に据えた構図で徐々に引いていき、参加者全員を画面に収める位置まで下がった。
「あれ?」Bさんが声を上げた。
「これって……廃墟じゃね?」
参加者の背後や斜め後ろにある壁紙が剥がれたり破れたりしている。くすんだ床には、石が転がり、あるいはブロックが乱暴に積んである。
だだっ広く、テーブルの他に家具は何もない。広さから考えて、古くなったホテルのホールのようだ。相当に年季の入った廃墟だと思われた。
お誕生会? 廃墟で?
なんで?
参加者みんながプレゼントを渡し終えた。赤や白やピンク、金色などのきらびやかな箱をたくさんテーブルに積んで、女の子はニコニコ満足そうな笑顔を浮かべている。
改めて、といった感じで、30人がワーッと拍手をする。口々に「キョウコちゃんおめでとうー!」「よかったねー!」「おめでとー!」と声を投げかける。
と、その中のひとりが、「キョウコちゃん、17歳おめでとう~!」と言った。
「…………なんでそんなこと言うんだよおおおォォォォォッッッ!!
ああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
突然女の子が絶叫した。絶叫して、握りしめた拳でケーキを思いきり叩き潰した。
鬼のような形相で叫びながら何度も、何度も、何度も、拳を叩きつける。白いクリームが辺りに飛び散る。立ち上がってさらに振りおろす。スポンジも四方に飛散し、彼女の顔や服やテーブルを汚した。
ケーキがゴミクズのようになってから、今度はもらったばかりのプレゼントの箱を殴りはじめた。言葉にならない金切り声を上げながら箱を破壊していく。中身などお構いなしに本気で殴り続ける。拳に血がにじんでいる。
その行動を、出席者たちは、まったくの無表情と棒立ちでただ見つめている。
カメラも動揺することなく、その様を淡々と撮影している。
「……なんだこれ? なんだこれ?」
「わかんない……」
Bさんも彼女さんも混乱しながら、その狂乱を見続けた。
箱をあらかた殴りつけ終わった少女は、怒りに燃える目のまま、しばらく肩で息をしていた。そして、「ふぅ」と落ち着いた呼気を吐き出し、何事もなかったように静かに椅子に座り直した。
それから、用意されていたとおぼしきタオルで、自分の顔や服を拭いてゆく。テーブルもさっと綺麗にする。その間に、潰れたケーキも壊されたプレゼントも、誰かの手によって音もなくどこかに運ばれていったようだった。
何? 何? 次は何が起きるの? パソコンの前の2人は固唾をのんで見守っていた。
片付けが終わったようだった。
すると…………ケーキが運ばれてきた。
大きめの、立派なホールケーキである。細いロウソクが十数本立っていて、その先に小さく火がついて、ちんまりとチラチラ燃えている……さっきと同じようなケーキだ。
ケーキが女の子の前に置かれた。彼女の顔はすっかりおだやかな表情に戻っている。
「ハッピバースデー トゥーユー
ハッピバースデー トゥーユー」
再び、30人の合唱が始まった。
「ハッピバースデー ディア キョウコ ちゃーん
ハッピバースデー トゥーユー!
おめでとうー!!」
女の子がふぅーっ! とロウソクの火を吹き消す。改めて全員が楽しそうに、拍手をしながら祝福する。そしてまた、女の子が心底嬉しそうに感謝の言葉を……
Bさんは、異様な不安に襲われた。
これがどういう状況なのかわからない。さっぱりわからない。意味不明だ。
これは一体、なんなんだ? 誰がどうしてこんな動画を? そしてこれを見続けたらどんな展開が待ち受けている? グロ画像を見慣れた高校生が寝込むような?
わからない。ひとつとしてわからない。だけど、このまま進むと、とんでもないものを見せつけられるような、そんな予感が走るのだった。
「なんかすごく……マズいんじゃないのこれ……」隣の彼女さんもそう呟いた。まつ毛が細かく震えていた。
怯えながら観ていると、動画は2回目のプレゼント贈呈へと進んでいく。
と、参加者のうちで列の端の方にいた男が、カメラに目をやって小声でこう言った。
「これ、もう1回あるんですよね?」
どうも、これに初めて参加している、といった不馴れなトーンだった。
カメラの脇から同じく小声で返事が聞こえた。
「えぇ、もう1回あって、おわりになります」
「あぁ、わかりました」
……わけのわからない状況なのに、参加者もカメラマンもごく当たり前の、結婚式やパーティーの段取りを確認するような調子で会話している。Bさんにはそれが心底おそろしく感じた。
今の“これ”の後で、もう1回“これ”をやったら、本当に終わるのか。終わるはずがない。高校生がショックを受けるような出来事があるのだ。一体、何が起きるのか……
「これヤバいよ。私観てらんないよ……」
彼女さんが怯えている。Bさんももはや当初の好奇心は失せて、恐怖の方が勝っていた。
お兄ちゃんには悪いけども、ここでリタイアしよう……。Bさんは動画を止めて、削除した。
翌日、お兄さんから電話があった。すいません、あれ、ご覧になりましたか、と申し訳なさそうに聞いてくる。
Bさんは正直に答えた。
「あのー、実はね……。2回目の時に、『これもう一度やるんですよね』ってカメラに聞く箇所があるじゃん」
「はい……」
「あそこで怖くなっちゃって、彼女と2人で観てたんだけど、悪いんだけどさ、そこて停止しちゃったんだ」
「……そうですか……。いや、あの、途中まで観ていただいただけでもありがたいです。ありがとうございます」
「ごめんね、まかせておけなんて言ったけどさ……」
「いえ、いいんです。あれ観ちゃったら、よくないと思うので……」
先方はそう言うと、しばらく黙った。言おうか言うまいか逡巡している息遣いが、無言の隙間から伝わってきた。
「ぼく、あれから肉が食べられないんですよ」
「…………そう…………」
「あれCGとか特撮じゃないですよ。ありえないです」
「うん、うん……」
「…………ごめんなさい、観てない人に言うことじゃないですけど」
「大丈夫だよ、うん」
「あれ、絶対10人くらい死んでますよ」
10人くらい、死んでる?
Bさんは勝手に、あの真ん中の女の子が無惨に殺される展開を想像していた。
10人くらい、死んでる……?
「あんなコトが起きてたら普通、ニュースになると思うんです」
「………………」
「あのう、床にブロックとか積んでありましたよね」
「うん……あったね……」
「あれで」
「ああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
電話の向こうから女の子の絶叫が聞こえた。
叫び方は動画の少女そっくりだったが、
声は、A子さんの声だった。
「お前なんで!? お前、動画観てないはずじゃ」
電話はそこで切れた。
翌日が、Bさんが家庭教師で出向く日だった。
足をこわばらせながら行くと、A子さんも、お兄ちゃんも、ご夫妻も、いつもとさして変わらぬ雰囲気で応対してくれた。
ただ、「画像や動画のことは絶対に話題に出すな」という、無言の圧力を全身に感じたそうだ。
その圧迫感の中、予定通り残り半年の家庭教師の期間を終えて、Bさんは無事にお役御免となった。
ぼーだーの動画とは何だったのか、Bさんは今でも気になっている。
そしてあの、電話口での妹さんの絶叫は、たぶん一生忘れないだろう、と言う。
(了)
☆この記事は、完全無料・ほぼ全話オリジナル・著作権フリーの怖い話ツイキャス「禍話」の 禍話R第2夜 より編集・再構成してお送りしました。
☆放送通算100回達成、怖い話の巨大山脈「禍話」のライブ録音履歴はこちらから……
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