事前準備
先の2回の記事で、潜在意識の上書きについて書きました。
初めてこちらに来た方は1回目からご覧ください。
そろそろ実践に入っていきたいところなのですが。
そもそも、「こうすれば一瞬出治ります!」なんて方法はないんですよね。
そもそも一瞬で治せるようなものならば、長い間苦しむ人はあまりいないはずです。
実践について、簡単に言うと、自分の心を観察する事なんです。
場合によっては、普段顕在意識によって隠されている潜在意識への窓を開いたりもします。
文字でやり方の総括を書いてしまうと、一瞬終わってしまって、多分誰の役にも立たない気がするので、実践では、「例えばこうやるんだよ」「こういうことをやってみよう」という事を具体的に例示したいと思っています。
で、今回はその前座と言いますが、知っておいてほしいことを書きたいと思います。
それは、人は、生きてきた人生の中、とりわけ幼少期に、潜在意識に色々な「当たり前」「価値観」を植え付けられているんです。
前回も書いた気がしますけどね。
そして、何かを見たり、聞いたりした際に起きる反応は、それらをベースに作られているんです。
では、自分を幸せにしない当たり前や価値観とはどんなものでしょうか。
思いつくものを書いてみます。人によって違うと思いますし、ここに書くのは別に自分が過去にもっていたり、今持っている価値観とも限りません。
ちなみに、「べき思考」、つまり、「こうしなくてはならない」「こうあらなくてはいけない」「何々するべきである」「何々はしてはいけない」なんてものは、一つの指標となります。
さて、いくつか例を書いていきます。
・ルールは守らなくてはいけない
・何事も全力で取り組まなくてはいけない
・競争は勝たなくてはいけない
・嘘をついてはいけない
・誠実でいなくてはいけない
・楽をしようなどと考えてはいけない
思いつくもの適当に書きました。
心当たりがあればそれでいいし、なければ自分独自のものでもいいです。
さて、こちらについてポイントが2つあります。
一つは、公序良俗に反しないなら、上に書いたどれでも破っていいです。
むしろ「そうではない凡例」は挙げようと思えば誰でも挙げられるのではないでしょうか。
寧ろ、このような価値化に強く縛られていると思うのなら、思い切って破ってみてもいいかも知れません。新しい世界が見えるかも知れません。
勿論、公序良俗に反しない範囲ですよ。
具体的には、法律を犯したり、誰かに迷惑をかけたりとかしない限りは、です。
ところで、ちょっと余談です。
お笑い芸人のバカリズムさんは、ある時リビングで横になりながら、「今このままおしっこしたらどうなるだろう?」と思ったそうです。
別に自分が掃除すればいいだけだし、と実行しようとしたところ、なかなか出せなかったそうです。
その後頑張ってなんとか出したらしいのですが、その後1週間くらいおねしょするようになったようです。
ここから学び取れることは、脳は行動に対し「No」という機能を持っていると考えられるという事です。トイレではない場所でおしっこすることについて、脳がNoを突き付けたようですね。
その後なんとか無事排出したようですが、今度は脳の「No」が「Yes?」に上書きされたのか、期待通りに動作(おねしょはしない)しなかったようです。
このように無意識裡にも脳は勝手に色々な事を判断しているのです。
いままで「こころ」という言葉を使い、ここでは「脳」という言葉を使っていますが、今回の文脈では「こころ≒脳」くらいに捉えてください。
もう一つは、このような価値観を挙げられるだけ挙げてみるという事です。
ブレインストーミングという言葉は聞いたことありますでしょうか?
結構身近な言葉なので、聞いたことある人は多いかと思います。
これは、会議などで案を出す際に、「どんな荒唐無稽なものだとしても、決して批判することなく、出せる限りの案を出していく」事です。
なれないと、どうしても「かっこいいこと言わなくちゃ」「いい案出さなくちゃ」と思っちゃってなかなか出てこないんですけど、慣れればいくらでも出てきます。
ブレインストーミングは複数人でやるのが基本ですが、一人でやっても大丈夫です。私も一人ブレインストーミングよくやります。結構効果あります。逆に慣れていない人や、頭が固い人は「全然出てこない」です。柔軟に考えましょう。
慣れてくると、まるでさびついてちょろちょととしか水が出なかった蛇口の錆が取れ、栓が開き、ドバドバと水が出てくるような感覚になれます。
こうやって出した、自分の裡に眠る価値観を、一つ一つ検証していくのです。(裡は、うち、と読みます。内と書いても意味通じますけど、この漢字の方が言いたいことにあっているので使っています)
・その価値観は、ほんとうですか?邪魔になることはありませんか。
・その価値観に従うことは幸せですか?一時的には「私は正しく生きている」という安心感を持てるかも知れません。ですけど、その裏では素直な自分を押し込めて、悲鳴を上げていませんか。
・何故、そのような価値観を持っているのですか。もしかしたら、最初は信頼できない人から言われたいい加減な一言かも知れません。その価値観を持つに至った背景が、今考えて信頼できるものでないならな、その価値観は嘘か、役に立たないものかも知れません。
もし、その価値観が役に立たなかったり、自分を幸せにしないものなら捨ててしまいましょう。別の新しい価値観で上書きするのもいいかもです。
「捨て方がわからない」なら、例えば以下のような事をしてください。
・価値観が詰まった袋も持っている自分を想像し、想像の中でその袋を捨てる
・「その価値観は嘘」等とレッテルを貼る。
・「あー、この価値観嘘だったわ」と声に出していってみる。
バカバカしいと思うでしょうか?
初歩的で、誰でも今すぐにできるものを挙げてみましたが、どれも無意味ではありません。
脳は現実と幻想の区別つかないですし、「口に出す」という能動的な行為は、脳や体の色々な部分を使います。
つまり、どの方法でも脳に刻み込まれるのです。
ただし、一回やっただけで価値観を完全に捨てられることはほぼないと思うので、このような行動で、心がどのように動いたかを観察してみてくださいね。
さて、事前準備的な内容はこれで一通り終わりです。
ちなみに、今回私が書いたことに対し、疑念を持たれた場合は、疑問に思ったまま続きを読んでも構いませんが、一旦この記事から離れてもいいかもです。疑った心のままでは、多分効果薄いです。
疑いが残るのは、著者の不勉強のせいだ!と思われるなら、それでもいいです。今回の件については、私のせいにしても何も問題ないので、いくらでも私のせいにしてください。
ただ、心の隅にはとどめておいて、たまに思い出してほしいです。
日常の中、心理的な事を勉強する中でもいつでもいいです。
私がここで書いているものは、いわば「種」であり、「私が咲かせた花」です。種は一人一人違うものを持っていて、どんな花が咲くのかも人によって違います。
「種の育て方」は、共通する部分が多いと思いこの記事を書いていますが、実際のところは、育て方にの正解はなく、私の育て方がほかの人に有効かどうかも知りません。
しかし、そのままの形で使うことはできなくても、ヒントにはなると思っています。
私の言葉から都合のいい部分を抜き出して、自分なりにアレンジしてもいいです。というか、その方が理想的です。
但し、根本の部分で理解がずれると、役に立てる可能性も減るので、受け入れるかどうかは別として、できるだけ正しく認識していただきたいです。
今回もお付き合いいただきありがとうございました。
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