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2021年東京都議会議員選挙当落予想

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 いよいよ始まった東京都議会議員選挙。新型コロナウィルスの猛威は依然衰える兆しがなく、なかなか思うように選挙ウォッチすることが出来ない。この状況で群集に近づくというのはさすがにリスクが高すぎる。
 そこで今回初めて当落予想というものをやってみようと思う。選挙戦を実際に見なくても、いろいろと考えることは出来る。ネット上にはいろいろと当落予想があがっているので、それも参考にしてみた。それらを見ると、筆者の主観というか期待が込められているように感じる。ということは、私が自分の主観で予想を立てても良いということに違いない。
 都議会議員選挙の投票の際の何かの参考にでもしていただければ幸いである。

 前回2017年の都議会議員選挙において、小池百合子都知事率いる都民ファーストの会は、公認候補50人中49人が当選。追加公認した推薦候補6人を加えて55人を擁する都議会最大勢力となった。
 その一方で、選挙前57議席で最大勢力だった自由民主党は23議席に終わる惨敗に終わった。

都民ファーストの会  55
自由民主党     23
公明党        23
日本共産党     19
民進党        5
生活者ネットワーク   1
日本維新の会      1

 しかし、同年の総選挙において都民ファーストの会を母体として結成された「希望の党」は伸び悩む。公示前勢力の57議席から減らして50議席に終わり、野党第1党の座も立憲民主党に奪われる形となった。2018年には大半の議員が民進党と合併し国民民主党として発足。2020年には立憲民主党と合併した。
 都民ファーストの会からも離党者が相次いだ。2017年10月、都民ファーストの会の創設メンバーである上田令子都議と音喜多駿都議が離党し会派「かがやけTOKYO 」を設立。2019年1月には奥澤高広都議、斎藤礼伊奈都議、森澤恭子都議がの3都議が離党し会派「無所属 東京みらい」を結成している。

 現在の都議会の議席は次の通り。

都民ファーストの会 46
自由民主党     25
公明党       23
日本共産党     18
立憲民主党      7
東京みらい      3
生活者ネットワーク  1
自由を守る会     1
日本維新の会     1
新風         1
(欠員1) 

 6月25日に告示された東京都議会議員選挙の立候補者数は次の通りであった。

都民ファーストの会 47 現42・元0・新5
自由民主党   60 現22・元15・新23
公明党     23 現17・元0・新6
日本共産党   31 現16・元1・新14
立憲民主党   28 現7・元2・新19 
生活者ネット   3 現0・元1・新2 
日本維新の会  13 現0・元2・新11
国民民主党    4 現0・元3・新1 
古い党      2 現0・元0・新2 
れいわ新選組   3 現0・元0・新3 
諸派      27 現0・元0・新27
無所属     30 現4・元1・新25
計      271 現108・元25・新138

 7月4日の投票日に向けて9日間の激戦が繰り広げられることとなった。

 今回予想を立てるにあたって以下の記号を用いている。

◎当確
〇有力
△当確線上やや優位
▲当落線上やや不利

 激戦で当落の判断が難しい選挙区もあるが、◎、○、△の合計が必ず定数と同じになるようにしている。

◆千代田区(定数1)

〇内田 直之 57 自民党・新(公明党推薦)
 冨田 直樹 45 共産党・新
▲平  慶翔 33 都民ファーストの会・現(1)
 浜森 香織 42 無所属・新
〈前回〉
当選14,418樋口 高顕 34 都民ファーストの会・新(公明党推薦)
   7,556中村  彩 27 自民党・新(日本のこころ推薦)
   2,871須賀 和男 61 無所属・新(共産党推薦)
      602後藤 輝樹 34 国民ファーストの会・新

 都議会のドンと呼ばれた内田茂・自民党都連幹事長の地盤で、永らく自民党の牙城とされてきた。1959年以降、民主党が躍進した2009年を除いて自民党が議席を守っていたが、前回は都民ファーストの会の樋口高顕候補が内田元都議の後継をダブルスコアで破っている。その樋口都議は1月の千代田区長選挙に出馬し当選した。


 今回自民党は内田元都議の娘婿の内田直之・元千代田区議を擁立している。   
 千代田区に関しては自民党と都民ファーストの会との間で密約があったのではないかと囁かれていた。区長選で樋口候補を勝たせる代わりに都議選では内田候補を勝たせるという…。先の千代田区長選で内田候補は自民党候補者の支援をせず、都民ファーストの会も都議選に当初候補者を立てていなかったからである。しかし、6月に入って都民ファーストの会は板橋区選出の平慶翔都議の擁立を決定した。
 平都議はアモーレ平愛梨の弟であり、イケメンで知名度も高い。内田候補優位は揺るぎないが、あるいは小池都知事が応援に入るなら番狂わせもあり得る。

◆中央区(定数1)

 池辺  愛 40 都民ファーストの会・新
 岸野 智康 26 維新の会・新
◎石島 秀起 61 自民党・新(公明党推薦)
 松田 朝子 61 立憲民主党・新
〈前回〉
当選25,792西郷 歩美 32 都民ファーストの会・新(公明党推薦)
  17,965石島 秀起 57 自民党・新(日本のこころ推薦)
   8,736森山 高至 51 無所属・新(共産党支持)
   6,842立石 晴康 75 無所属・現
    1,347齋藤 一恵 48 希望ファーストの会・新

 前回都民ファーストの会で当選した西郷歩美都議はその後離党し維新の会に移籍したが、今回は立候補を断念した。
 都民ファーストの会は元お笑いコンビ「モエヤン」の池辺愛候補を擁立。持ちネタが「ヌーブラ・ヤッホー」では、銀座や日本橋といった中央区民の支持が集まるとは到底思えない。 

◆港区(定数2)

〇入江 伸子 59 都民ファーストの会・現(1)
◎菅野 弘一 62 自民党・現(2)(公明党推薦)
▲大塚 隆朗 61 立憲民主党・元(3)
 河野 憲二 73 無所属・新
 野口 博基 47 共産党・新
 菊池 正彦 68 維新の会・元(1)
 飯田 佳宏 48 減税とうきょう・新
 上治 義仁 49 無所属・新
〈前回〉
当選35,263入江 伸子 55 都民ファーストの会・新(公明党推薦)
当選15,350菅野 弘一 58 自民党・現(日本のこころ推薦)
  13,440大塚 隆朗 57 無所属・元(都民ファーストの会推薦)
  11,434染谷ふみ子 65 共産党・新
   8,723来代 勝彦 72 自民党・現(日本のこころ推薦)
    686鍋島 久之 53 幸福実現党・新

 8年前は自民党が2議席を独占。前回、都民ファーストの会がその牙城を崩した。今回、自民党が菅野弘一都議で候補者を統一したとなると、ほぼ当選は固いところ。
 都民ファーストの会の入江都議は前回ほどの得票は見込めないものの、野党票が立憲民主党と共産党とで割れたこともあり、議席を守れそうである。 
 日本維新の会の菊池元都議は、1993年日本新党ブームで都議に初当選。新進党となった97年に落選している。その後自由党→無所属→生活の党と3度都議選に出馬するも議席回復できていない。

◆新宿区(定数4) 

▲三雲 崇正 44 立憲民主党・新(社民党推薦)
 上塚 哲治 25 維新の会・新
△吉住 栄郎 47 自民党・新
 早乙女智子 60 無所属・新
 木下 陽介 35 全都黎明・新
◎古城 将夫 41 公明党・現(1)
〇大山とも子 65 共産党・現(7)
▲森口つかさ 39 都民ファーストの会・現(1)
 梅田 夏希 35 減税とうきょう・新
△秋田 一郎 55 自民党・現(4)
 山井  徹 44 日本公益党・新
〈前回〉
当選43,822森口つかさ 35 都民ファーストの会・新(生活者ネット推薦)
当選25,256大山とも子 61 共産党・現
当選19,713古城 将夫 37 公明党・新(都民ファーストの会推薦)
当選17,565秋田 一郎 51 自民党・現(日本のこころ推薦)
  11,599大門 幸恵 48 自民党・現(日本のこころ推薦)
     7,427青地 真美 50 民進党・新
     1,971浜野 秀昭 37 無所属・新

 前回トップ当選の森口つかさ都議がどこまで票の減少を減らせるか。
 公明党の古城将夫都議は安泰。
 人気のある共産党の大山とも子都議も有力。
 自民党は現職の秋田一郎都議、区議選トップ当選の吉住栄郎・前区議共に有力。
 立憲民主党は海江田万里元民主党代表のお膝元であるが、現状ではやや苦しい。
 1月の千代田区議補選に「あたらしい党」公認で出馬した梅田夏希候補は、その後あたらしい党を除名となったが、飯田佳宏代表の「減税とうきょう」からの出馬となった。

◆文京区(定数2)

▲増子 博樹 61 都民ファーストの会・現(3)
〇中屋 文孝 55 自民党・現(4)(公明党推薦)
△福手 裕子 44 共産党・新
〈前回〉
当選42,185増子 博樹 57 都民ファーストの会・元(公明党推薦)
当選26,997中屋 文孝 51 自民党・現(日本のこころ推薦) 
  26,782福手 裕子 40 共産党・新

 毎回激戦となる文京区。
 もともと共産党が強く前々回は自民と共産が議席を獲得。前回も最下位の自民党候補との得票差はわずか215票だった。自民党の中屋文孝都議が議席を確保し、共産党の福手裕子候補がリベンジする可能性が高い。

◆台東区(定数2)

 武田 完兵 73 無所属・新
△中山 寛進 49 都民ファーストの会・現(2)
▲小柳  茂 48 共産党・新
▲保坂 真宏 47 都民ファーストの会・現(1)
〇鈴木  純 39 自民党・新(公明党推薦)
 津村 大作 47 台東教育ネットワーク・新
 柴田 啓也 44 維新の会・新
〈前回〉
当選29,838保坂 真宏 43 都民ファーストの会・新(公明党推薦)
当選19,990中山 寛進 45 都民ファーストの会・現(公明党推薦)
  16,630和泉 浩司 60 自民党・現(日本のこころ推薦)
  12,343小柳  茂 44 共産党・新
    686武田 完兵 69 無所属・新

 前回、都民ファーストの会が2議席を独占しており、現職2人の生き残りをかけた激戦が予想される。
 自民党新人の鈴木純・前区議は安泰。
 都民ファーストの会の現職2人では、民主党出身の中山寛進都議が連合の支持もあって抜け出すのではないだろうか。
 当選ラインが下がれば、共産党の小柳茂候補にも勝算がある。
 伝説の武田完兵候補が健在なのも嬉しい。

◆墨田区(定数3)

◎加藤 雅之 56 公明党・現(3)
〇川松真一朗 40 自民党・現(2)
▲成田梨沙子 31 都民ファーストの会・現(1)
 大沢  昇 56 国民民主党・元(3)
△桜井 浩之 55 自民党・元(2)
▲伊藤 大気 42 共産党・新
〈前回〉
当選39,531成清梨沙子 27 都民ファーストの会・新
当選21,585加藤 雅之 52 公明党・現
当選17,507川松真一朗 36 自民党・現(日本のこころ推薦)
  17,404桜井 浩之 51 自民党・現(日本のこころ推薦)
  15,439伊藤 大気 38 共産党・新

 前回は都民ファーストの会の成清梨沙子都議が圧勝したが、今回はかなり票を減らすのは間違いない。
 公明党の加藤雅之都議は安泰。
 自民党は2人立てたが、現職の川松真一朗都議がリードか。
 最後の1議席を成清都議、前回落選の桜井浩之元都議で争うことになるが、自民党の票割りがうまくいかなかった場合、共産党の伊藤大気候補にも勝算がある。
 国民民主党の大沢昇元都議は、前回までは江東区で出馬していたが、さすがに厳しい。

◆江東区(定数4)

〇山崎 一輝 48 自民党・現(3)
▲白戸 太朗 54 都民ファーストの会・現(1)
△高橋 恵海 52 自民党・新
◎細田  勇 60 公明党・現(1)
▲高野 勇斗 38 立憲民主党・新
 清水 良平 43 維新の会・新
△畔上三和子 65 共産党・現(3)
 藤川 広朗 48 テレビ改革党・新
〈前回〉
当選45,614白戸 太朗 50 都民ファーストの会・新
当選37,970山崎 一輝 41 自民党・現(日本のこころ推薦)
当選36,533細田  勇 56 公明党・新(都民ファーストの会推薦)
当選29,804畔上三和子 61 共産党・現
  25,908柿沢 幸絵 47 無所属・新(都民ファーストの会推薦)
  21,059高橋 恵海 48 自民党・新(日本のこころ推薦)
  15,409大沢  昇 52 民進党・元
    3,171古賀 美子 48 無所属・新
    1,403表 奈就子 33 幸福実現党・新

 自民党が前回に続いて2人を擁立。ただ、江東区はこれまでに自民党が2議席を取ったことはなく、現職の山崎一輝都議は有力だが、高橋恵海候補の方は届くかどうか…。
 公明党の細田勇都議は安泰。
 共産党の畔上三和子都議も当落線上やや優勢。
 前回トップ当選の都民ファーストの会の白戸太朗都議に前回ほどの勢いが無い。そのため最後の1議席を高橋候補と争う形になりそうである。また、今回墨田区へ移った大沢元都議と、今回不出馬の柿沢幸絵元都議の票を吸収出来れば、立憲民主党の高野勇斗候補にも浮上の可能性はある。

◆品川区(定数4) 

◎伊藤 興一 60 公明党・現
〇白石 民男 39 共産党・現
▲森沢 恭子 42 無所属・現
△田中  豪 58 自民党・元
△阿部祐美子 56 立憲民主党・新
▲沢田 洋和 40 自民党・新
▲筒井 洋介 41 都民ファーストの会・新
 佐藤 政昭 67 日本公益党・新
〈前回〉
当選32,261森澤 恭子 38 都民ファーストの会・新
当選28,591山内  晃 48 都民ファーストの会・現
当選26,184伊藤 興一 56 公明党・現(都民ファーストの会推薦)
当選23,176白石 民男 35 共産党・現
  19,546田中  豪 54 自民党・現(日本のこころ推薦)
  17,612阿部祐美子 52 民進党・新(生活者ネット支持)
  15,807沢田 洋和 36 自民党・新(日本のこころ推薦)

 前回は自民党が共倒れに終わり、1、2位を都民ファーストの会が独占した。その都民ファーストの会の候補者は1位の森沢恭子都議が離党し「東京未来」に。2位の山内晃都議も新型コロナウィルスの後遺症で引退ということになった。代わって日本維新の会の元区議から都民ファーストの会に移籍した筒井洋介候補が立候補。
 品川区議会では自民党会派が「品川区議会自民党」(8名)と「自民・無所属・子ども未来」(8名)に分裂しており、候補者調整が難しい。前回共倒れしたにも関わらず今回も2人を擁立している。激戦というより混戦という状況になっている。
 公明党の伊藤興一都議は安泰。
 残り3議席が読めない。共産党の白石民男都議がやや優勢といった感じか。自民党では田中豪元都議が当選経験もあるだけにやや有利。最後の1議席が自民党の沢田洋和候補と、立憲民主党の阿部祐美子候補の争いとなる。
都民ファーストの会の森沢都議は刺客を立てられたのでは苦しい状況。自民党、都民ファーストの会が足を引っ張り合えば、阿部候補が浮上する可能性もある。

◆目黒区(定数3)

△伊藤  悠 44 都民ファーストの会・現
◎斉藤 泰宏 57 公明党・現
△星見 定子 63 共産党・現
▲栗山 芳士 51 自民党・元
▲鈴木 隆道 70 自民党・元
▲西崎  翔 37 立憲民主党・新
〈前回〉
当選47,674伊藤  悠 40 都民ファーストの会・元(生活者ネット推薦)
当選19,077斉藤 泰宏 54 公明党・現(自民党推薦)
当選18,572星見 定子 59 共産党・新
  14,455栗山 芳士 47 自民党・現(日本のこころ推薦)
  13,912鈴木 隆道 66 自民党・現(日本のこころ推薦)

 前回共倒れした自民党だったがどちらも譲らず、候補者調整は不調に終わっている。自民党目黒総支部が鈴木隆道元都議を擁立したのに対し、栗山芳士元都議は自民党都連に公認申請を出して認められたのだという。
 また前回トップ当選の都民ファーストの会の伊藤悠都議だが、今回立憲民主党からも対抗馬が出たこともあり、混沌に拍車がかかっている。
 公明党の斉藤泰宏都議は安泰。
 共産党は4年前初めて議席を獲得したが、今回も混戦から抜け出す見込み。
 自民党が再び共倒れするようなことがあれば、現職の伊藤都議の当選もあり得る。もともと民主党で2回当選した経験もあり、底力はある。

◆大田区(定数7〈1減〉)

△斉藤 里恵 37 立憲民主党・新(生活者ネット、社民党推薦)
△松田 龍典 34 維新の会・新
▲森   愛 44 都民ファーストの会・現(1)
△鈴木 晶雅 63 自民党・現(5)
○藤田 綾子 46 共産党・現(1)
◎玉川 英俊 52 公明党・新
◎勝亦  聡 58 公明党・新
 岡  高志 45 国民民主党・新
 奥本 有里 44 都民ファーストの会・新
▲山森 寛之 42 自民党・元(1)
 溝口 晃一 52 無所属・新
 片岡 将志 26 心の病党・新(古い党推薦)
△鈴木 章浩 58 自民党・現(4)
 村元 寅次 68 選挙に私も連れてって党・新
 原  忠信 69 無所属・新
〈前回〉
当選55,000森   愛 40 都民ファーストの会・新
当選33,017栗下 善行 34 都民ファーストの会・元
当選26,704藤井  一 63 公明党・現(都民ファーストの会推薦)
当選26,593遠藤  守 50 公明党・現(都民ファーストの会推薦)
当選24,957藤田 綾子 42 共産党・新
当選21,831神林  茂 64 自民党・現(日本のこころ推薦)
当選21,460柳ヶ瀬裕文 42 維新の会・新
当選21,207鈴木 章浩 54 自民党・現(日本のこころ推薦)
  19,032鈴木 晶雅 59 自民党・現(日本のこころ推薦)
  18,193佐藤  伸 43 共産党・新
  16,716沢田 大作 38 民進党・新(自由党推薦、生活者ネット支持)
     5,420溝口 晃一 48 無所属・新
     4,118須藤 英児 48 無所属・新
      2,194飯田 佳宏 44 地方議員ゼロの会・新
      691井出鬼子雄 76 無所属・新

 前回から1議席減となった。定数6以上の大選挙区は、番狂わせも起きやすいため予想が極めて立てにくい。
 そんな中でも公明党の2新人は安泰。
 前回の2から候補者を1人にしぼった共産党の藤田綾子都議も安泰である。
 前回同様3人擁立の自民党は、現職の2名が有力。
 残り2議席を自民党元職、都民ファーストの会、維新の会、立憲民主党で争うことになる。昨年の補選で健闘した維新の会の松田龍典候補がやや優勢か。もともと補選の議席は維新の会の柳ヶ瀬裕文・現参院議員のものである。
 立憲民主党も、補選北区で健闘した元筆談ホステスの斉藤理恵・元北区議を転出させて擁立しているが、知名度もあるだけに十分当選の可能性はある。
 自民党の山森寛之元都議は、2016年の補選で当選したものの前回は共倒れを防ぐために不出馬となっていたが、今回返り咲きを期す。
 前回1、2位を独占した都民ファーストの会は現職の栗下善行都議が離党し立憲民主党入りするも、今回は不出馬。もう1人の森愛都議は、前回トップ当選も、新人の奥本有里候補との間で票が割れてしまう心配がある。
 前回に続き出馬の溝口晃一候補はオリーブの木から参院選に出馬の経験がある。

◆世田谷区(定数8)

 大場 康宣 73 無所属・現(3)
▲福島理恵子 50 都民ファーストの会・現(1)
◯三宅 茂樹 71 自民党・現(6)
 岸  泰正 56 無所属・新
◎高久 則男 58 公明党・新
△小松 大祐 43 自民党・現(2)
△山口  拓 48 立憲民主党・現(3)
 風澤 純子 51 れいわ新選組・新
 森  里香 47 日本公益党・新
◯里吉 ゆみ 54 共産党・現(2)
△関口江利子 47 生活者ネット・新(立憲民主党推薦)
 関口 太一 45 国民民主党・元(1)
 サルサ岩渕 43 平和の党・新
△土屋 美和 43 自民党・新
△風間  穣 48 立憲民主党・新(社民党推薦)
▲木村 基成 51 都民ファーストの会・現(2)
 岡林 裕佳 51 維新の会・新
 油井 史正 77 無所属・新
〈前回〉
当選70,471福島理恵子 46 都民ファーストの会・新
当選49,055木村 基成 47 都民ファーストの会・現
当選42,208栗林のり子 63 公明党・現
当選34,621里吉 ゆみ 50 共産党・現
当選33,019三宅 茂樹 67 自民党・現(日本のこころ推薦)
当選29,838山口 拓 44 民進党・元(自由党推薦)
当選25,805小松 大祐39 自民党・現(日本のこころ推薦)
当選18,048大場 康宣 69 自民党・現(日本のこころ推薦)
  15,175岡本 京子 59 生活者ネット・新(民進党都連支持)
  13,243桜井 純子 53 社民党・新(自由党推薦)
  13,141後藤 雄一 67 行革110番・元
  10,524稗島 進 40 維新の会・新
    9,021マック赤坂 68 無所属・新
     4,145三浦 静加 64 無所属・新
     3,813藤田 孝行 47 無所属・新
     1,990伊沢 浩美 52 地方議員ゼロの会・新
     1,012川合 善大 69 無所属・新
     506森 二三男 69 無所属・新

 最多の8名を選出する。
 自民党は前回逆風の中でも3議席を確保しているが、その後現職の大場康宣都議がポスターを剥がしたとして器物破損で書類送検され、そのこともあってか自民党の公認を得られなかった。代わりに43歳の新人・土屋美和候補を擁立したが、なかなかの美人候補で楽しみである。
 公明党と共産党の現職は安泰。
 自民党も現職の三宅茂樹都議と小松大祐都議は有力。
 立憲民主党も現職の山口拓都議が有力。
 残り3議席を都民ファーストの会の現職2人、自民党新人の土屋候補、立憲民主党新人の風間穣候補、生活者ネットの関口江利子候補で争う。無所属になった大場都議は苦しい。この中から抜け出すのは自民・土屋候補と、保坂展人・世田谷区長も応援する立憲・風間候補。また、世田谷区は生活者ネット代表を永らく務めた大河原雅子代議士のもともとの地盤(現在は立川市・日野市・国立市など)でもあるだけに、ネットとしてはどうしても落としたくないところである。

◆渋谷区(定数2) 

▲中田 喬士 31 立憲民主党・新
▲龍円 愛梨 44 都民ファーストの会・現(1)
◯前田 和茂 51 自民党・元(1)(公明党推薦)
◯大津 浩子 61 都民ファーストの会・現(5)
 込山  洋 47 無所属・新(スマイル党推薦)
〈前回〉
当選28,223龍円 愛梨 40 都民ファーストの会・新(公明党推薦)
当選18,060大津 浩子 57 都民ファーストの会・現(公明党推薦)
  17,658前田 和茂 47 自民党・現(日本のこころ推薦)
  10,323折笠 裕治 59 共産党の・新
    9,918浜田 浩樹 39 民進党・新(自由党推薦)

 前回は都民ファーストの会が2議席を独占した。次点に終わった自民党の前田和茂元都議がその中に割って入ることが出来るだろうか。
 各地で軒並み都民ファーストの会の候補者が苦戦を伝えられる中、ベテランの大津浩子都議が強さを発揮するだろう。大津都議は民主党出身だが、公認をはずされた2013年都議選でも、刺客の民主党候補をかわして当選しているように、支持は厚い。都民ファーストの会ブームの去った龍円愛梨都議は苦しい。
 都知事選にも出ていた込山洋候補は、マック赤坂・港区議の秘書。スマイル党が推薦している。

◆中野区(定数3)

△西沢 圭太 42 立憲民主党・現(3)(生活者ネット推薦)
▲荒木 千陽 39 都民ファーストの会・現(1)
◎高倉 良生 64 公明党・現(4)
△出井 良輔 48 自民党・新
 沢口 祐司 66 無所属・新
〈前回〉
当選44,104荒木 千陽 35 都民ファーストの会・新
当選24,647高倉 良生 60 公明党・現(都民ファーストの会推薦)
当選23,874西沢 圭太 37 民進党・現(自由党推薦、生活者ネット支持)
  22,535川井 重勇 69 自民党・現(日本のこころ推薦)
  20,106浦野 智美 36 共産党・新
   1,118白柏 貴子 33 幸福実現党・新

 中野区は都民ファーストの会にとって正念場となる選挙区であろう。というのも、荒木千陽代表の選挙区であり、ここを落とすようでは都民ファーストの会自体が苦しいということになる。
 ここは公明党の高倉良生都議が安定。
 前回健闘した共産党の浦野智美候補が立候補せず、立憲民主党と選挙協力を行なうことを考えると、立憲民主党の西沢圭太都議も有力。
 新人・出井良輔候補で自民党が返り咲くようだと、荒木都議の落選は濃厚となる。

◆杉並区(定数6)

▲鳥居 宏右 50 都民ファーストの会・現(1)
▲茜ヶ久保嘉代子 45 都民ファーストの会・現(1) 
 中根  淳 48 国民主権党・新
 山名 奏子 38 れいわ新選組・新
◯原田  暁 46 共産党・現(1)
△小松 久子 69 生活者ネット・元(1)(立憲民主党推薦)
△早坂 義弘 52 自民党・現(4)
△関口健太郎 29 立憲民主党・新
 百瀬 智之 38 維新の会・新
△小宮 安里 45 自民党・現(3)
◎松葉多美子 58 公明党・現(4)
 市川 浩司 59 庶民と動物の会・新
〈前回〉
当選39,893鳥居 宏右 46 都民ファーストの会・新
当選36,145茜ヶ久保嘉代子 41 都民ファーストの会・新
当選31,292原田あきら 42 共産党・新
当選29,144松葉多美子 54 公明党・現(都民ファーストの会推薦)
当選28,112早坂 義弘 48 自民党・現(日本のこころ推薦)
当選24,632小宮 安里 41 自民党・現(日本のこころ推薦)
  16,277小松 久子 64 生活者ネット・現(民進党都連支持)
  15,887田中 朝子 57 民進党・現(自由党推薦)
    8,220西村 正美 53 民進党・新(自由党推薦)
    4,466高橋 尚吾 33 無所属・新
    2,496北島 邦彦 57 都政を革新する会・新
    2,315菅沢 治希 34 地方議員ゼロの会・新

 前回は都民ファーストの会が1、2位を独占。今回議席を守れるだろうか。
 公明党と共産党の現職が安泰。自民党の現職2名も有力である。
 それを追うのが立憲民主党の関口健太郎区議。2018年の区議補選では4万票を得て2位当選している。
 残り1議席を都民ファーストの会の2名と、前回次点の生活者ネット・小松久子元都議が争う。野党系の田中良区長の支持が厚いように杉並区はもともと革新系が強い。最後の1議席には小松元都議が滑り込むのではないだろうか。
 れいわ新選組は山名奏子候補を擁立。もともと山本太郎代表の地盤だけに、悲願の議席獲得なるかというところだが、現状では厳しいところ。
 日本維新の会の百瀬智之元代議士は、衆院比例北陸信越ブロックで当選し1期務めた後、長野県議を務めている。
 中根淳候補は国民主権党。都知事選や千葉県知事選に出馬した平塚正幸代表率いる党だが、「コロナはただの風邪」と主張している。彼らは外宣でもマスクをしないので、もし町で見かけた時は注意が必要である。

◆豊島区(定数3)

◎長橋 桂一 64 公明党・現(5)
◯堀  宏道 56 自民党・元(1) 
 片岡 恭子 42 無所属・新
 井田 恵介 29 古い党・新
◯米倉 春奈 33 共産党・現(2)
▲本橋 弘隆 59 都民ファーストの会・現(1)
〈前回〉
当選44,556本橋 弘隆 55 都民ファーストの会・新
当選20,381長橋 桂一 60 公明党・現(都民ファーストの会推薦)
当選20,139米倉 春奈 29 共産党・現
  18,647堀  宏道 52 自民党・現(日本のこころ推薦)
    7,825泉谷  剛 51 民進党・元(自由党推薦)

 小池百合子都知事のお膝元の豊島区。都民ファーストの会としてはなんとしても取りたい選挙区だ。
 公明党の長橋桂一都議はここでも安泰。
 自民党の堀宏道元都議も雪辱を果たすことになりそう。
 今回、立憲民主党が共産党と選挙協力をしたこともあり、最後の1議席は共産党の米倉春奈都議で決まるのではないだろうか。
 都民ファーストの会の本橋弘隆都議は苦しい。
 古い党公認の井田恵介候補は、ヴィジュアルバンド「ジャックケイパー」のメンバー“李九”で、「ジャックケイパー党」を立ち上げ、古い党の諸派党構想から総選挙への出馬を表明している。

◆北区(定数3)

◯山田加奈子 50 自民党・現(1)
△佐藤 古都 33 維新の会・新
 林元 真季 25 都民ファーストの会・新
◎大松  成 60 公明党・現(4)
▲曽根  肇 69 共産党・現(6)
〈前回〉
当選56,376音喜多 駿 33 都民ファーストの会・現
当選34,501大松  成 56 公明党・現(都民ファーストの会推薦)
当選30,374曽根  肇 65 共産党・現(自由党推薦)
  29,135高木  啓 52 自民党・現(日本のこころ推薦)
   8,316和田 宗春 73 民進党・元(自由党推薦)

 前回トップ当選の都民ファーストの会・音喜多駿元都議は、その後都民ファーストの会を離党。現在は日本維新の会の参院議員となっている。北区ではその音喜多票をめぐっての熾烈な争いとなりそう。
 公明党の大松成都議は安泰。
 昨年の補選で当選した自民党の山田加奈子都議も有力である。
 都民ファーストの会の林元真季候補は準備不足で苦戦とされ、最後の一議席は共産党の曽根肇都議と、音喜多参院議員が支援する維新の会の佐藤古都候補の争いか。音喜多参院議員の人気も考えて、ここは佐藤候補が滑り込むと予想。

◆荒川区(定数2)

▲滝口  学 50 都民ファーストの会・現(2)
 山川 裕菜 37 無所属・新
 山本  剛 43 減税とうきょう・新
◎慶野 信一 45 公明党・現(1)
 鈴木 賢一 59 共産党・新
◯崎山 知尚 55 自民党・元(2)
〈前回〉
当選24,005慶野 信一 41 公明党・新(都民ファーストの会推薦)
当選21,234滝口  学 46 都民ファーストの会・元
  18,135崎山 知尚 51 自民党・現(日本のこころ推薦)
  17,394相馬 堅一 63 共産党・新
    2,734山本  剛 39 無所属・新
    2,109宮本 舜馬 26 無所属・新
    523西野  晃 40 幸福実現党・新

 前回は都民ファーストの会と公明党という小池与党が2議席を独占した。今回は、前回破れた自民党の崎山知尚元都議が返り咲きを果たしそう。公明党の鹿野信一都議と共に、政権与党が議席を独占する可能性が高い。
 前回無所属で挑戦の山本剛候補は今回「減税とうきょう」からの出馬となる。

◆板橋区(定数5)

△河野 雄紀 51 自民党・元(1)
 前田順一郎 46 維新の会・新
△徳留 道信 69 共産党・現(2)
△宮瀬 英治 44 立憲民主党・現(2)(社民党推薦)
◎鎌田 悦子 48 公明党・新
△松田 康将 44 自民党・元(1)
▲木下富美子 54 都民ファーストの会・現(1)
 橋本 久美 51 無所属・新
 内山美津子 69 無所属・新
 太田 雅一 62 無所属・新
〈前回〉
当選39,230木下富美子 50 都民ファーストの会・新
当選38,351橘  正剛 64 公明党・現(都民ファーストの会推薦)
当選36,732平  慶翔 29 都民ファーストの会・新
当選31,396徳留 道信 65 共産党・現
当選28,003宮瀬 英治 40 民進党・現(自由党推薦、生活者ネット支持)
  27,521松田 康将40 自民党・現(日本のこころ推薦)
  23,383河野 雄紀 47 自民党・現(日本のこころ推薦)
   6,283熊木美奈子 55 無所属・元
    983安原 宏史 27 幸福実現党・新
       823佐上 彰浩 48 無所属・新

 前回都民ファーストの会が2議席を得た一方、自民党は2議席を失った。
今回、自民党が議席を回復するかどうかが焦点。
 都民ファーストの会は現職の平慶翔都議が千代田区へ転出。木下富美子都議の当選に全力を尽くす。
 公明党は引退する橘正剛都議の後継・鎌田悦子候補が安泰だが、残り4議席は混沌としている。その中では共産党の徳留道信都議と立憲民主党の宮瀬英治都議がやや有力。残り2議席を自民党の元議員2名と都民ファーストの会の木下都議の3名で争う。都民ファーストの会の凋落ぶりを考えると、木下都議が涙を飲むことになりそう。
 維新の会の前田純一郎候補は、2017年の総選挙に東京11区から出馬。次期総選挙でも出馬の見込みで、今回はそのための知名度アップが目的だろうか。

◆練馬区(定数7〈1増〉)

 須澤 秀人 67 古い党・新
△藤井 智教 45 立憲民主党・現(1)(社民党支持)
◎小林 健二 51 公明党・現(3)
△山加 朱美 67 自民党・元(4)
△小川 佳子 53 自民党・新
▲村松 一希 40 都民ファーストの会・現(1)
▲池尻 成二 66 無所属・新(立憲民主党、生活者ネット推薦、社民党支持)
▲若旅 啓太 31 維新の会・新
〇戸谷英津子 57 共産党・現(1)
 松田 美樹 34 NHKから国民を守る党・新(古い党推薦)
△尾島 紘平 32 都民ファーストの会・現(1)
〇柴崎 幹男 65 自民党・現(2)
 岩江 志朗 61 無所属・新
 成田 遼介 29 無所属・新
〈前回〉
当選53,948村松 一希 36 都民ファーストの会・新
当選53,780尾島 紘平 28 都民ファーストの会・新
当選43,577小林 健二 47 公明党・現(都民ファーストの会推薦)
当選34,238戸谷英津子 53 共産党・新
当選32,624柴崎 幹男 61 自民党・現(日本のこころ推薦)
当選29,339藤井 智教 41 民主党・新(自由党推薦)
  27,098山加 朱美 63 自民党・現(日本のこころ推薦)
  15,931菊地 靖枝 54 生活者ネット・新(民進党都連支持)
  13,442浅野 克彦 42 民進党・現(自由党推薦)
    1,274渋谷  誠 53 環境党・新

 前回から1議席増となった。そのため自民党は強気の姿勢で3人を擁立し、混戦となった。
 公明党の現職の小林健二都議だけが安泰。
 共産党の戸谷英津子都議、自民党の柴崎幹男都議とやはり現職が強い。立憲民主党の藤井智教都議、自民党元職の山加朱美元都議もやや有力だろう。  
 残り2が混沌としている。都民ファーストの会の現職2人、自民党新人の小川佳子候補、立憲民主党推薦の池尻成二候補、維新の会の若旅啓太候補の5人による激戦である。この中から抜け出すのは、自民党の小川候補と、都民ファーストの会では何かと話題となる尾島紘平都議ではないだろうか。
 古い政党から国民を守る党(古い党)は1名を公認、1名を推薦で擁立。
推薦の松田美樹候補は「NHKから国民を守る党」の公認。これは改名前の古い党と同じ名前だが、政治団体として別に発足させたもの。松田候補は、元新宿区議。2018年の当選後に居住実態が無いという事が問題となり選挙管理委員会によって当選無効と決定されている。それを不服として最高裁まで争っていたが、結審の前に区議を辞職して都議選に立候補した。すでに菅原一秀・元経産相の地盤の衆院東京9区からの立候補を表明している。

◆足立区(定数6)

 松浦 克行 52 テレビ改革党・新
▲後藤 奈美 34 都民ファーストの会・現(1)
▲馬場 信男 60 都民ファーストの会・現(1)
◎中山 信行 62 公明党・現(4)
○斉藤真里子 46 共産党・現(1)
◎薄井 浩一 61 公明党・現(1)
○高島 直樹 71 自民党・現(5)
 松丸 恭子 49 みんなの党・新
 末武あすなろ 36 れいわ新選組・新
△和田 愛子 36 立憲民主党・新
△発地 易隆 45 自民党・元(1)
〈前回〉
当選46,263後藤 奈美 30 都民ファーストの会・新(生活者ネット推薦)
当選37,285斉藤真里子 42 共産党・新
当選36,828高島 直樹 67 自民党・現(日本のこころ推薦)
当選36,494薄井 浩一 57 公明党・新(都民ファーストの会推薦)
当選35,961馬場 信男 56 都民ファーストの会・新
当選33,440中山 信行 58 公明党・新(都民ファーストの会推薦)
  26,310発地 易隆41 自民党・現(日本のこころ推薦)
  15,908銀川 裕依子 31 民進党・新(自由党推薦)
    9,208鈴木 勝博 59 維新の会・元

 前回は当時の小池与党、都民ファーストの会と公明党が2議席ずつ計4議席獲得した。前回1議席に留まった自民党が2議席目を回復できるかどうかが焦点。
 公明党は前回、中山信行都議が最下位当選で危機感をつのらせているが、なんだかんだで手堅く2議席を確保するだろう。
 共産党も斉藤真理子都議が有力。
 都民ファーストの会は凋落が著しいため共倒れになる恐れがあり、そこに立憲民主党の和田愛子候補が食い込んでくるのではないだろうか。
 れいわ新選組の末武あすなろ候補は当選は難しいが、総選挙を踏まえどれだけの得票をあげられるか注目される。
 松丸恭子候補はみんなの党公認。元みんなの党代表の渡辺喜美参院議員が設立した政治団体。2019年の統一地方選にも候補者を擁立したが、都内の区議選に立候補した4人の候補は全員が落選している。

◆葛飾区(定数4)

 高橋 淳也 41 テレビ改革党・新
 後藤 輝樹 38 SDGs党
○和泉 尚美 59 共産党・現(2)
○舟坂 誓生 73 自民党・現(2)
 根本 良輔 27 つばさの党・新
◎北口 剛士 46 公明党・新
 中谷 基志 49 無所属・新
▲米川大二郎 53 都民ファーストの会・現(1)
▲平田 充孝 47 自民党・新
 小川 優太 30 無所属・新
△岩崎孝太郎 39 立憲民主党・新(生活者ネット推薦)
 河合 悠祐 40 愛の力でLGBT差別・動物殺処分解決の党・新
 黒瀬 信明 36 議員を減らします党・新(古い党推薦)
〈前回〉
当選51,241米川大二郎 49 都民ファーストの会・新
当選37,669野上 純子 64 公明党・現(都民ファーストの会推薦)
当選27,060和泉 尚美 55 共産党・現
当選22,120舟坂 誓生 69 自民党・現(日本のこころ推薦)
  20,078和泉 武彦 48 自民党・現(日本のこころ推薦)
  14,695米山 真吾 47 民主党・新(自由党推薦、生活者ネット支持)
    5,351谷野正志朗 75 区民ファーストの会・新
    4,463立花 孝志 49 NHKから国民を守る党・新

 ある意味今回一番の注目選挙区である。
 公明党新人の北口剛士候補と、共産党現職の和泉尚美都議が無難に議席を確保。自民党も現職の舟坂誓生都議が議席を守ることになりそう。
 残り1議席を都民ファーストの会の米山大二郎都議と、自民党新人の平田充孝候補、立憲民主党新人の岩崎孝太郎候補の3人で争う。その中では立憲民主党の岩崎候補がやや優勢だろうか。
 葛飾区が注目されているのは泡沫候補が乱立したことである。千葉県知事選でも話題となった後藤輝樹候補と河合悠祐候補が再び顔を揃えている。さらに船橋市議選にも候補者を立てた「議員を減らします党」、つばさの党なども候補者を立て、かなりカオスな状態射なっている。なぜこうなったのかというと、葛飾区議選が11月に予定されているため、都議選が区議選に向けて知名度向上にうってつけということなのである。4年前は都議選で落選したNHKから国民を守る党の立花孝志代表が、区議選で当選したという実績がある。葛飾区議選では維新政党・新風代表だった鈴木信行候補(現・日本国民党)も当選しており、極端な主張の候補者でも当選が難しくないと思われているようだ。
 ちなみに「議員を減らします党」の黒瀬信明候補の公約は「100日後に辞める議員」をキャッチフレーズに、当選したら3ヶ月と1日後に辞任するというもの。3ヶ月を1日過ぎると繰り上げ当選が無くなるからだという。本当に公約を守るのかが気になるところではあるが、そもそも彼が当選するのは困難である。

◆江戸川区(定数5)

△上田 令子 56 無所属・現(2)
 丸山 玲子 68 維新の会・新
▲大西 洋平 43 自民党・新
△原  純子 56 共産党・新
▲よぎ    44 立憲民主党・新(生活者ネット推薦)
〇宇田川聡史 56 自民党・現(4)
◎竹平 智春 55 公明党・新
△田之上郁子 51 都民ファーストの会・現(2)
〈前回〉
当選54,587田之上郁子 47 都民ファーストの会・元
当選50,778上野 和彦 64 公明党・現(都民ファーストの会推薦)
当選50,723上田 令子 52 都民ファーストの会・現
当選38,854宇田川聡史 52 自民党・現(日本のこころ推薦)
当選36,652河野百合恵 67 共産党・現
  26,094田島 和明 66 自民党・現(日本のこころ推薦)

 公明党と共産党の現職が引退し、新人が立候補。共に優勢となっている。自民党も現職の宇田川聡史都議が有力。
 残り2議席がかなりの混戦模様となっている。都民ファーストの会の田之上郁子都議はもともと民主党で当選した実績もあり、やや優勢。都民ファーストの会を離党し「自由を守る会」を立ち上げた上田令子都議も何とか当選ラインに入るのではないか。
 自民党新人の大西洋平元都議は大西英男代議士の息子だが、乱立のため苦しい状況となっている 立憲民主党のよぎ候補は、インドからの帰化人で、2019年に江戸川区議選に当選し話題となった。せっかくの区議の地位を捨てての立候補だが、情勢は厳しい。

◆八王子市(定数5)

▲滝田 泰彦 39 都民ファーストの会・現(1)
△両角  穣 59 都民ファーストの会・現(2)
◎東村 邦浩 59 公明党・現(5)
△伊藤 祥広 52 自民党・現(1)
▲西山  賢 44 自民党・新
△須山 卓知 40 立憲民主党・新(生活者ネット推薦、社民党支持)
△青柳有希子 42 共産党・新
 滝沢 景一 55 維新の会・元(1)
 押越 清悦 62 目覚めよ日本党・新
 小林  蓮 34 女性ファーストの会・新
〈前回〉
当選48,016東村 邦浩 55 公明党・現(都民ファーストの会推薦)
当選41,541両角  穣 55 都民ファーストの会・現
当選39,275滝田 泰彦 35 都民ファーストの会・新
当選31,935清水 秀子 65 共産党・現
当選26,519伊藤 祥広 48 自民党・新(日本のこころ推薦)
  22,239鈴木 玲央 39 自民党・新(日本のこころ推薦)
  21,446安藤 修三 37 民進党・新(自由党推薦、生活者ネット支持)
    6,947滝沢 景一 51 無所属・元
    2,597岡村 幹雄 60 日本第一党・新

 前回は都民ファーストの会が上位を独占している。
 公明党の現職・東村邦浩都議は安泰。
 共産党は引退する伊藤秀子都議の後継の・青柳有希子候補と、自民党現職の伊藤祥広都議が有力となる。立憲民主党の須山卓知候補も当選ラインに入って来る。
 残り1議席を都民ファーストの会の現職2人と、自民党新人の西山賢候補で争う。都民ファーストの会では現職の両角穣都議。小池都知事を最初に支援した4人の“ファーストペンギン”最後の生き残りである。他の仲間がいずれも離党し他党に移った中も筋を通しただけに、ここは何としても生き残ってもらいたいところである。

◆立川市(定数2)

画像3

 石飛 香織 37 都民ファーストの会・新
○酒井 大史 53 立憲民主党・元(4)(生活者ネット推薦)
◎清水 孝治 55 自民党・現(2)(公明党推薦)
〈前回〉
当選24,912増田 一郎 52 都民ファーストの会・新(公明党推薦)
当選16,946清水 孝治 51 自民党・現(日本のこころ推薦)
  16,257酒井 大史 49 無所属・現(都民ファーストの会推薦)
  12,690浅川 修一 62 共産党・元

 前回トップ当選の都民ファーストの会の増田一郎都議が引退。代わってアナウンサーの石飛香織候補を擁立する。
 自民党の清水孝治都議は安泰。

画像4

 立憲民主党公認で、2019年の立川市長選で健闘した酒井大史元都議も、共産党との候補者調整もあって安泰だといえよう。

画像5

◆武蔵野市(定数1)

▲土屋ゆう子 51 自民党・新(公明党推薦)
 鈴木 邦和 32 都民ファーストの会・現(1)
△五十嵐衣里 37 立憲民主党・新(生活者ネット、社民党推薦)
 遠藤 史啓 35 テレビ改革党・新
〈前回〉
当選27,515鈴木 邦和 28 都民ファーストの会・新(公明党推薦)
  22,493松下 玲子 46 民進党・元(自由党推薦、生活者ネット支持)
  14,443島崎 義司 51 自民党・現(日本のこころ推薦)

 激戦区の1つ。前回は都民ファーストの会の鈴木邦和候補が勝利したが、今回はかなり苦しく、蚊帳の外に置かれている。
 実質的には立憲民主党と自民党の対決となった。ここは菅直人元首相のお膝元。対する土屋ゆう子候補は土屋正忠・元武蔵野市長の娘。ということでかつて衆院東京18区で繰り広げられた因縁の対決の代理戦の様相である。現武蔵野市長は前回破れた松下玲子元都議ということもあり、今回は立憲民主党の五十嵐衣里候補が勝つのではないだろうか。

◆三鷹市(定数2)

○中村  洋 49 立憲民主党・現(3)(生活者ネット推薦)
 山田 浩史 37 都民ファーストの会・現(1)
○加藤 浩司 54 自民党・新(公明党推薦)
〈前回〉
当選30,356山田 浩史 32 都民ファーストの会・新(公明党推薦)
当選21,094中村 洋 45 民進党・現(自由党推薦、生活者ネット支持)
  18,223加藤 浩司50 自民党・新(日本のこころ推薦)
    8,803室 喜代一 61 共産党・新

 立憲民主党の中村洋都議は、候補者調整で共産党の票が期待できるため、かなり有利な状況。
 残る1議席を都民ファーストの会の山田浩史都議と前回破れた自民党の加藤浩司候補とで争うが、公明党票を山田都議から奪う形で加藤候補が勝つと思われる。

◆青梅市(定数1)

○山崎  勝 49 自民党・新(公明党推薦)
 森村 隆行 47 都民ファーストの会・現(1)
〈前回〉
当選31,603森村 隆行 43 都民ファーストの会・新(公明党、生活者ネット推薦)
  19,948野村 有信 76 自民党・現(日本のこころ推薦)
    5,433寉田 一忠 72 無所属・新(共産党推薦)

 現職の都民ファーストの会の森村隆之都議と、自民党の山崎勝候補の一騎討ち。ここはもともと自民党の野村有信元都議が5期務めるなど自民党の地盤がある地域だけに、その後継の山崎勝候補が順当に勝ちそうである。

◆府中市(定数2)

○小山 有彦 45 無所属・現(3)
◎鈴木 錦治 65 自民党・元(1)(公明党推薦)
 柄澤 地平 32 共産党・新
〈前回〉
当選38,381小山 有彦 41 都民ファーストの会・新(公明党、生活者ネット推薦)
当選27,697藤井 晃 35 都民ファーストの会・新(公明党推薦)
  24,959鈴木 錦治 61 自民党・現(日本のこころ推薦)
  13,502柄沢 地平 28 共産党・新

 前回は都民ファーストの会が2議席を独占。うち藤井晃都議は今回は町田選挙区から立候補。小山有彦都議は無所属での出馬となった。立憲民主党が候補者を立てず、野党系の候補者が共産党の柄沢地平候補だけというのでは勝負にならない。順当に小山都議と自民党の鈴木錦治元都議で決まりそう

◆昭島市(定数1)

○安保  満 59 自民党・新(公明党推薦)
 永元 香子 49 共産党・新(社民党推薦)
 内山 真吾 41 都民ファーストの会・現(1)
〈前回〉
当選24,639内山 真吾 37 都民ファーストの会・新(公明党、生活者ネット推薦)
  12,544中村 豪志 41 自民党・新(日本のこころ推薦)
    5,897奥村 博 66 共産党・新

 前回は都民ファーストの会の内山真吾候補が2位にダブルスコアの大差で圧勝した。今回は苦戦が予想され、代わって自民党の安保満候補が有力となっている。

◆町田市(定数4)

 今村 路加 52 無所属・元(3)(社民党支持)
 吉田  勉 73 無所属・新
 藤井  晃 39 都民ファーストの会・現(1)
◎小磯 善彦 66 公明党・現(5)
△松岡みゆき 59 自民党・新
▲鈴木  烈 47 立憲民主党・新(生活者ネット推薦)
△星  大輔 40 自民党・新
〇池川 友一 36 共産党・現(1)
 古田  真 74 土頭を働かし最高裁裁判官5人を弾劾する党・新
〈前回〉
当選55,784奥沢 高広 35 都民ファーストの会・新
当選31,893小磯 善彦 62 公明党・現(都民ファーストの会推薦)
当選25,528池川 友一 32 共産党・新
当選23,470吉原  修 61 自民党・現(日本のこころ推薦)
  21,252今村 路加 48 民進党・元(自由党推薦、生活者ネット支持)
  17,387市川 勝斗 40 自民党・新(日本のこころ推薦)
  12,824海老沢由紀 43 維新の会・新
       609上田 哲次 57 幸福実現党・新

 前回当選した都民ファーストの会の奥澤高広都議が不出馬。府中選出の藤井晃都議が移ってきた。自民党が2議席獲得できるかが注目である。
 公明党の小磯善彦都議と、共産党の池川友一都議が安定。
 残る2議席を自民党の2人と、立憲民主党の鈴木烈候補で争う展開。今回、民進党出身の今村路加元都議が無所属で立候補しているため、鈴木候補は票が割れて苦しい。自民党が2議席を確保する公算が高い。

◆小金井市(定数1)

▲漢人 明子 61 無所属・新(共産党、立憲民主党、生活者ネット、社民党推薦)
 辻野 栄作 52 都民ファーストの会・現(1)
△広瀬 真木 39 自民党・新(公明党推薦)
〈前回〉
当選16,039辻野 栄作 48 都民ファーストの会・新(公明党推薦)
  13,531漢人 明子 57 無所属・新
  11,293広瀬 真木 35 自民党・現(日本のこころ推薦)

 4年前と同じ顔触れとなった。前回は都民ファーストの会ブームによって辻野栄作候補が勝ったが、次点との差は約2500票。前回、辻野都議を支援した公明党が今回、自民党の広瀬真木候補の支持に回ったため、辻野都議には苦しい状況となっている。
 辻野都議は精神科医で、前回の選挙期間中も職務を優先しており、あまり選挙活動を行なっていなかったとの話もある。そのため、前回の当選は地元でも驚きを持って迎えられたとのことだ。その後の4年間で辻野都議がどれだけ地元に定着できたかが問われる。

◆小平市(定数2)

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◎竹井 庸子 55 立憲民主党・新(生活者ネット、社民党推薦)
◎磯山  亮 41 自民党・新(公明党推薦)
〈前回〉
当選31,844佐野 郁夫 61 都民ファーストの会・新(公明党推薦)
当選15,535高橋 信博 70 自民党・現(日本のこころ推薦)
  15,238斉藤  敦 50 民進党・新(自由党推薦、生活者ネット支持)
  10,454鈴木 大智 34 共産党・新

 前回は当選した議員が共に引退。立候補者が2人しかおらずそのまま無投票での当選が決まった。都議選が無投票となるのは1951年の伊豆七島選挙区(定数1)と1963年の八王子市選挙区(定数2)以来、58年ぶり3度目となる。

◆日野市(定数2)

〇西野 正人 61 自民党・現(1)(公明党推薦)
△清水登志子 58 共産党・新(社民党推薦)
▲菅原 直志 53 都民ファーストの会・現(1)
〈前回〉
当選30,384菅原 直志 49 都民ファーストの会・新(公明党、生活者ネット推薦)
当選16,458古賀 俊昭 69 自民党・現(日本のこころ推薦)
  15,595中野 昭人 48 共産党・新
  11,464新井 智陽 44 無所属・現

 昨年の補選で当選した西野正人都議が有力。日野市はもともと共産党が強く、以前も共産党が議席を持っていた選挙区である。先日の市長選でも野党系の候補者が落選したものの善戦。共産党の清水登志子候補は、立憲民主党、社民党の支援も受けており、リードしている状況。

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 前回トップ当選の菅原直志候補は、市議補選で系列の候補者が当選したように、それなりに力はあるがあと一歩というところ。

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◆西東京市(定数2)

 桐山ひとみ 50 都民ファーストの会・現(1)
〇石毛  茂 68 立憲民主党・現(4)(生活者ネット推薦)
〇浜中 義豊 38 自民党・新(公明党推薦)
 井手重美津子 57 共産党・新
〈前回〉
当選30,650桐山ひとみ 46 都民ファーストの会・新(公明党推薦)
当選20,647石毛  茂 64 都民ファーストの会・現
  16,511山田 忠昭 68 自民党・現(日本のこころ推薦)
  12,102中村  駿 30 共産党・新

 前回は都民ファーストの会が2議席を独占した。うち石毛茂都議は離党し、立憲民主党から立候補。もともと民主党で当選実績もあり、今回も有力とみられる。
 前回議席を失った自民党は新人の浜中義豊候補を擁立。順当に議席を獲得することになるだろう。

◆西多摩〈福生市・羽村市・あきる野市・瑞穂町・日の出町・奥多摩町・檜原村〉(定数2)

〇田村 利光 54 自民党・現(1)(公明党推薦)
▲清水 康子 54 都民ファーストの会・現(1)
△宮崎 太朗 41 立憲民主党・新(生活者ネット、社民党推薦)
 高沢 一成 47 無所属・新
 角田 統領 72 立憲共和党・新
〈前回〉
当選33,526清水 康子 50 都民ファーストの会・新(公明党、生活者ネット推薦)
当選27,771田村 利光 50 自民党・新(日本のこころ推薦)
  23,468島田 幸成 49 無所属・現(都民ファーストの会、生活者ネット推薦)
  12,469西村 雅人 50 共産党・新

 自民党の田村利光都議は安泰。
 残り1議席を都民ファーストの会の清水康子都議と、立憲民主党の宮崎太朗候補とで争う。共産党が候補者を立てていないこともあり、宮崎候補がやや有利か。

◆南多摩〈多摩市・稲城市〉(定数2)

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〇小礒  明 69 自民党・元(5)(公明党推薦)
〇石川 良一 69 都民ファーストの会・現(2)
 上杉  直 41 共産党・新 
 斉藤礼伊奈 42 立憲民主党・現(1)(生活者ネット推薦)
〈前回〉
当選32,525斉藤礼伊奈 38 都民ファーストの会・新(公明党、生活者ネット推薦)
当選29,269石川 良一 65 都民ファーストの会・現
  23,162小礒  明 65 自民党・現(日本のこころ推薦)
  16,538菅原 重美 68 共産党・新

 前回は都民ファーストの会が2議席独占。前回落選した自民党の小礒明元都議が雪辱を期す。

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 都民ファーストの会では元稲城市長の石川良一都議が堅実で、やはり有利。 

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 都民ファーストの会を離党し、東京未来を経て立憲民主党入りした斉藤礼伊奈都議は苦しい。斎藤都議には当選直後、届け出のあった多摩市内に居住実態がないのではないかとの疑惑があった。都議選であるから都内に居住している分にはなんら問題はないのだが、この件で地元での評判はあまり良くないとも聞いている。

◆北多摩第一〈東村山市・東大和市・武蔵村山市〉(定数3)

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○北久保眞道 68 自民党・元(1)
◎谷村 孝彦 58 公明党・現(5)
△尾崎あや子 62 共産党・現(2)
▲関野 杜成 47 都民ファーストの会・現(1)
▲鈴木恵美子 51 立憲民主党・新(生活者ネット推薦)
〈前回〉
当選39,492関野 杜成 43 都民ファーストの会・新
当選32,773谷村 孝彦 54 公明党・現(都民ファーストの会推薦)
当選23,500尾崎あや子 58 共産党・現
  22,415北久保眞道 64 自民党・現(日本のこころ推薦)
  11,166鈴木 龍雄 48 民進党・新(自由党推薦)
    1,521山内 章明 64 無所属・新

 主要5党が公認候補を立てる激戦区。
 公明党の谷村孝彦都議は安泰。
 前回次点の自民党の北久保眞道元都議も有力。

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 残り1議席を3人で争うが、共産党の尾崎あや子都議が逃げ切ると予想。

◆北多摩第二〈国分寺市・国立市〉(定数2)

△岩永 康代 49 生活者ネット・新(立憲民主党推薦)
 興津 秀憲 64 国民民主党・元(1)
▲岡本 光樹 38 都民ファーストの会・現(1)
○本橋  巧 38 自民党・新(公明党推薦)
〈前回〉
当選33,441岡本 光樹 34 都民ファーストの会・新(公明党推薦)
当選22,546山内 玲子 61 生活者ネット・現(都民ファーストの会推薦、共産党、民進党都連支持)
  19,618高椙 健一 66 自民党・現(日本のこころ推薦)
  10,634興津 秀憲 60 民進党・元(自由党推薦)

 唯一の東京・生活者ネットワークが議席を持つ選挙区。自民党の新人・本橋巧候補が有利に進める。
 残り1議席は生活者ネットの山内玲子都議の後任・岩永康代候補が手堅く議席を確保するだろう。

◆北多摩第三〈調布市・狛江市〉(定数3)

▲加藤 良哉 30 立憲民主党・新
◎中嶋 義雄 71 公明党・現(6)
○林  明裕 60 自民党・現(1)
▲尾崎 大介 47 都民ファーストの会・現(4)
△田中 智子 63 共産党・元(1)(社民党推薦)
〈前回〉
当選45,358尾崎 大介 43 都民ファーストの会・新(生活者ネット推薦)
当選30,431中嶋 義雄 67 公明党・現(都民ファーストの会推薦)
当選26,974井樋 匡利 53 共産党・新
  26,328栗山 欽行 58 自民党・現(日本のこころ推薦)
    3,666新井  匠 48 無所属・新
    2,165小野寺 通 48 無所属・新

 前回当選した共産党の井樋匡利元都議が息子がわしいせつ事件で逮捕された件の責任を取って辞任。その補欠選挙で圧勝した自民党の林明裕都議が今回も有力。
 公明党のベテラン・中嶋義雄都議も安定している。
 残り1議席を3人が争うが、狛江市長選や昨年の補選にも立候補した共産党の田中智子元都議がややリードか。

◆北多摩第四〈清瀬市・東久留米市〉(定数2)

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△原  紀子 55 共産党・現(1)
▲細谷 祥子 67 都民ファーストの会・現(1)
〇渋谷 信之 52 自民党・新(公明党推薦)
〈前回〉
当選26,031細谷 祥子 63 都民ファーストの会・新(公明党推薦)
当選19,674原 紀子 51 共産党・新
  18,205山下 太郎 44 無所属・現(都民ファーストの会、生活者ネット推薦)
  16,776野島 善司 68 自民党・現(日本のこころ推薦)

 前回議席を失った自民党の新人・渋谷信之候補が安定。
 残り1議席を都民ファーストの会の細谷祥子都議と共産党の原紀子都議の現職2名で争う。立憲民主党の支援を受けた原都議が有力。

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◆島部〈大島町・利島村・新島村・神津島村・三宅村・御蔵島村・八丈町・青ヶ島村・小笠原村(定数1)

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 梅木 健司 70 共産党・新
◎三宅 正彦 49 自民党・現(3)(公明党推薦)
〈前回〉
当選8,804三宅 正彦 45 自民党・現(日本のこころ推薦)
  4,100山下  崇 44 都民ファーストの会・新(公明党推薦)
  1,225綾   亨 64 共産党・新

 前回唯一都民ファーストの会の公認候補が落選した選挙区。今回も自民党現職の三宅正彦都議(大島出身)で確定。
 前回次点の山下崇候補は八丈島出身。八丈島での得票に限ると山下候補が5割を超えていた。ところが今回の共産党の梅木健司候補は、党の島しょ都政対策委員長という肩書はあるものの出身は新潟県で島嶼部ではない。その点でも勝機は全くない。

◆各党獲得議席数予想

 各選挙区の予想を集計すると次の通りとなる。

自民党   52(+27) 最低32〜最高60
公明党   23(±0) 
共産党   19(+1) 最低10〜最高22
立憲民主党 16(+8) 最低4〜最高26
都民ファーストの会 10(−36) 最低3〜最高37
生活者ネット 3(-1) 最低0〜最高3
維新の会   2(+1) 最低0〜最高3
無所属    2(−2) 最低1〜最高5

 自民党が議席を倍増させる大躍進で第1党の座を奪取する見込みだ。23人全員当選の見込みの公明党と併せて都議会過半数(64)を超えるのはほぼ間違いない。
 一方、都議会与党の都民ファーストの会は一気に1/4にまで議席を減らす見込み。荒木千陽代表が落選し、最悪の場合議席1桁もあり得る。千代田区長選挙のように、小池百合子都知事が全面的に選挙運動を行なえば、あるいはまだまだ浮上の可能性はあったが、告示直前に過労のため入院。退院後も当面テレワークというのでは、それもあまり期待できない。
 4年前は7つある1人区で都民ファーストの会は6勝をあげ、大勝の原動力となった。ところが今回は武蔵野市で立憲民主党が勝ちそうなほかは、全て自民党が有利。都民ファーストの会は1議席も取れそうにない。本来であれば自民党と議席を分け合うことになりそうな2人区でも、港区、台東区、渋谷区、南多摩では議席を取れそうだが、文京区や日野市、北多摩第四では共産党にすら遅れを取っている。

 その他立憲民主党は現有議席から倍増。共産党はほぼ前回並みといった感じとなる。現有1議席の維新の会は、大田区と北区で議席獲得の見込み。生活者ネットワークも現有の北多摩第二に加え、世田谷区、杉並区で議席獲得の見込み。無所属は江戸川区の上田令子都議と府中市の小山有彦都議の2名が有力だ。
 国民民主党、れいわ新選組、古い政党から国民を守る党などは議席獲得が難しい。

 これはもちろん、私の独断による予想である。すべての選挙区の状況を綿密に見たわけでもない。また、選挙というものは水物であり、候補者の戦い方によって常に流動的なものである。実際、接戦となっている選挙区も多く、有権者1人ひとりの投票行動によってこれから結果はいくらでも変わってくる。
 きっと予想もしていなかったような番狂わせがあるだろうし、それこそが選挙の楽しみである。
 有権者のみなさんには貴重な1票を決して無駄にはしてもらいたくない。
その際にこの「栄光なきドン・キホーテ」が少しでも役に立つようなら嬉しい限りだ。どのような結果が出るかを楽しみに私自身も開票を待とうと思う。


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