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短歌 九・一四

「他人からされたら嫌なことするな」と言った親は私を産んだ 人様に壊されるならいっそのこと俺の手で何もかもぶっ壊す

    • 短歌 九・一三

      面倒だから紙だけで会計を。見てくれだけが膨らむ財布

      • 短歌 九・一二

        いつまでも子供でいたい、そう思い乗る大人へのベルトコンベア

        • 短歌 九・一一

          「すみません」という言葉に謝意はなく。こう言やお前も満足だろ?

        短歌 九・一四

          短歌 九・七

          ツギハギの時計は常に絶望を指し時間など数えられない 俺のような臆病者は自由より縛められるほうがずっといい 恥晒す方が死ぬことよりも幾千万倍も怖くおぞましい

          短歌 九・七

          短歌 九・六

          心根に過ぎる暴力衝動は黄昏時の赤き地平線 暗き夜に朽ちる蜉蝣みたいにさ、心配かけず、静かに死にたい

          短歌 九・六

          短歌 九・五

          衰えた電球灯す部屋。スマホの画面だけが煌々光る

          短歌 九・五

          短歌 九・三

          革財布がっと軽くし得たものは豪奢な芥と大粒の悔い 沈鬱にかじる僅かな食パンと溢れ出すほど積もったプラごみ 止まぬ雨ないように死ぬことのない人間もこの世界にいない

          短歌 九・三

          短歌 九・二

          刻まれた古傷ばかり数えてる。キス跡なんて目もくれずにさ 哀しみが心底澱み踏み場なく、飾った靴でぐうっと潰す

          短歌 九・二

          短歌 八・二九

          飽く無き雨。搏たれる地面、アスファルト。照るは赤光、ネオンの光。

          短歌 八・二九

          短歌 八・二八

          横たわるくだらん未来見たはてに「自殺」のダサい二字に行き着く 妄想のお前は笛吹男。でも現実見ろよ孤独な男を 「将来は何になりたいか」と聞かれ、吃った時から希望はなかった 味薄いホットケーキに蜜垂らすように甘美な妄想浸る おい鏡。どうして涙流すのか。悲劇はとうに置いてきたのに

          短歌 八・二八

          短歌 八・二七

          鬱屈の片手間ペンをもてあそぶ先に構える私の世界 寝不足に浴びる夜明けの陽光はまるで鋭い硝子の破片

          短歌 八・二七

          短歌 八・二三

          手汚さず労うくらいなら俺にマックを奢れ。それか金くれ

          短歌 八・二三

          短歌 八・二二

          わずらいは堰切り溢る濁り水。いっそ揉まれて溺れ死にたい

          短歌 八・二二

          短歌 八・二〇

          俺は今、精一杯に人生を謳歌してんだ。同窓会持ってくんな 「あの時と比べお前は変わった」と。アンタが俺を知らなかっただけ 何もかも遅い俺には。賞味期限切れの湿気ったぬれ煎餅 地獄にはどこまでも澄む青天井。死に希望あれ。でないと困る

          短歌 八・二〇

          短歌 八・一九

          昨日とは違い気鬱でやる気出ずLINEの通知も溜まってくばかり カタコンベ、遍く並ぶ髑髏。次はお前の番だと告げる 何もかも棄て逃げたくてチャリを漕ぎ、ほとぼり冷めて「ここはどこなの」

          短歌 八・一九