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藤井三冠、無の境地他

標記の表は王将戦リーグの広瀬八段との対談で話題となった棋士のメンタル面を時系列で表したものです。
広瀬八段の育児で右往左往するメンタルもこの中に↓あります。
https://news.livedoor.com/article/detail/20882230/

藤井三冠の表で特に目につくのは「対局が続き無の境地」!です。

棋聖戦、王位戦の防衛や叡王戦の奪取は「無の境地」の中の出来事・・・

「無の境地」と言うと禅の悟りのような印象を受けます。
アベマ・トーナメントのチーム羽生がメンバー全員精神統一を目的に禅寺で座禅を組んでいたのをチーム動画でご覧になった方も多いと思います。

実は私は学生時代に京都の武徳殿で剣道をやっておりまして、当時大森 曹玄師の『剣と禅』がベストセラーになり江戸時代の沢庵和尚が「不動智神妙録」で説いた剣の境地で、剣道の究極の境地は禅の無念無想の境地と同一であるという趣旨のことが書いてありました。

なんでもすぐハマル癖は当時も変わらず・・・早速、臨済宗妙心寺にて参禅の日々を・・・

座禅三昧に明け暮れ、さて頃合いや良しと久しぶりに道場に立ち、普段より念入りにゆったりと素振りを行い身体が温まったところでやおら自分より格下の稽古相手を選び・・・ところがです。

なんと!その格下の相手に不動金縛り!にあったかのごとくボコボコに打ち込まれる始末。打たれながらひたすら「平常心」「平常心」「無念無想」「無念無想」・・・と念じておりましたが・・・

あまりの打たれっぱなしにとうとう頭に来て、ドッカーンと体当たりで相手を吹っ飛ばしておいて「メーン!」と・・・
参禅効果も一気に吹き飛んでしまいました。

そもそも剣道は武道ですから闘って相手を倒す気迫がなければ成立しません。将棋も同じかと・・・
悟り澄まして勝つなんてあり得ないのです。闘って闘って闘い抜いた先にしか勝利はないのです。

剣道が強くなるために座禅をやるより素振りをひたすら繰り返す方が役に立ちます。つまり「〇〇〇」を上達するために「×××」をやるのは効果がないのです。

よく「将棋」をやると「勉強の成績」が上がるとか言われていますが、それは将棋をやるより問題集を解いた方が成績が上がるのは間違いありません。

長い前置きになりましたが、藤井三冠の「無の境地」とは?

将棋を離れて「無の境地」があるわけではなく、ひたすら強い相手と対局する中で勝って喜び、負けて悔しい思いを積み重ねること、それが即ち「無の境地」であると言うことではないでしょうか?

勝負における緊張、つらさ、苦しさ、悔しさ、喜び、切迫感、焦り、油断や驕りも人間だからあるでしょう、それを全てひっくるめて「無の境地」であると。ソフトによる研究や対人VSでの研鑽、対局に向かう車中や対局場の検分、インタビューなど将棋を指していること以外も全てを含めて「無の境地」にあると。

「無」って静穏で何もないことを言うのではなく、全てを含んだ広大で豊かな境地ではないか、「全てが無差別に在るがままに在る」、それが即ち「無の境地」ではと・・・

考えた次第です。



2021年度可能対局数残: 43局 9/26現在(敬称略)

順位戦22年03月 07局○○○○○○○(今期4勝,1敗,次 横山泰明 9/30
JT杯戦21年11月 02局本戦○○(今期1勝,次 永瀬拓矢 11/03)
竜王戦21年11月 07局タイトル7*○(今期5勝,挑決1早失,次 豊島将之 10/08,09)
銀河戦21年12月 05局本戦○決勝トーナメント○○○○ (次 佐々木勇気 10/14)
王将戦22年02月 13局挑決リーグ○○○○○○タイトル7*○(今期2勝,次 糸谷哲郎 9/27)
朝日杯22年02月 04局本戦○○○○
NHK杯22年03月 05局本戦○○○○○(次 深浦康市 10/31)

合計      43局(トーナメント全勝、挑決とタイトル戦フルセット勝利)

今期初可能対局数 100局

今期勝ち数計  28勝(勝率 0.824、振り駒勝率 0.473 9:10)
今期負け数計  6敗
今期喪失局数  18喪失(棋戦敗退による対局喪失)
今期早失局数  5早失(番勝負早期決着による対局喪失)

今期防衛・奪取棋戦:
棋聖戦21年07月 棋聖防衛 対渡辺明 (今期3勝,2早失)
王位戦21年08月 王位防衛 対豊島将之(今期4勝,1敗,2早失)
叡王戦21年09月 叡王奪取 対豊島将之(今期8勝,2敗)

今期敗退棋戦:
王座戦21年10月 本戦1回戦●×××タイトル5*×(今期1敗、8喪失)
棋王戦22年03月 本戦●×××挑決2*×タイトル5*×(今期1勝,1敗、10喪失)


今期対戦結果:
2021/04/09 ○ 広瀬章人 叡王戦 八段戦 決勝 (先手 相掛り)
2021/04/16 ○ 八代弥  竜王戦 2組 ランキング戦 決勝(先手 矢倉)
2021/05/06 ● 深浦康市 王座戦 本戦 1回戦(後手 矢倉)
2021/05/13 ○ 三浦弘行 順位戦 B級 1組 1回戦(先手 横歩取り)
2021/05/17 ○ 行方尚史 叡王戦 本戦 1回戦(後手 矢倉)
2021/05/31 ○ 永瀬拓矢 叡王戦 本戦 2回戦(後手 雁木)
2021/06/03 ● 稲葉陽  順位戦 B級 1組 2回戦(後手 角換わり)
2021/06/06 ○ 渡辺明  棋聖戦 タイトル戦 1回戦(後手 相掛り)
2021/06/13 ○ 屋敷伸之 順位戦 B級 1組 3回戦(後手 相掛り)
2021/06/18 ○ 渡辺明  棋聖戦 タイトル戦 2回戦(先手 相掛り)
2021/06/22 ○ 丸山忠久 叡王戦 本戦 準決勝(先手 一手損角換わり)
2021/06/26 ○ 斎藤慎太郎叡王戦 本戦 決勝(後手 角換わり)
2021/06/30 ● 豊島将之 王位戦 タイトル戦 1回戦(先手 相掛り)
2021/07/03 ○ 渡辺明  棋聖戦 タイトル戦 3回戦(後手 矢倉)
2021/07/06 ○ 久保利明 順位戦 B級 1組 4回戦(先手 四間飛車)
2021/07/10 ○ 山崎隆之 竜王戦 本戦 準々決勝(後手 相掛り)
2021/07/14 ○ 豊島将之 王位戦 タイトル戦 2回戦(後手 角換わり)
2021/07/22 ○ 豊島将之 王位戦 タイトル戦 3回戦(先手 角換わり)
2021/07/25 ○ 豊島将之 叡王戦 タイトル戦 1回戦(先手 角換わり)
2021/07/30 ○ 石田直裕 王将戦 二次予選 2回戦(先手 相掛り)
2021/08/03 ● 豊島将之 叡王戦 タイトル戦 2回戦(後手 角換わり)
2021/08/06 ○ 八代弥  竜王戦 本戦 準決勝(後手 矢倉)
2021/08/09 ○ 豊島将之 叡王戦 タイトル戦 3回戦(先手 角換わり)
2021/08/12 ○ 永瀬拓矢 竜王戦 挑戦者決定戦 1回戦(後手 三間飛車)
2021/08/16 ○ 稲葉陽  王将戦 二次予選 決勝(後手 角換わり)
2021/08/19 ○ 豊島将之 王位戦 タイトル戦 4回戦(後手 相掛り)
2021/08/22 ● 豊島将之 叡王戦 タイトル戦 4回戦(後手 相掛り)
2021/08/25 ○ 豊島将之 王位戦 タイトル戦 5回戦(先手 相掛り)
2021/08/30 ○ 永瀬拓矢 竜王戦 挑戦者決定戦 2回戦(先手 相掛り)
2021/09/02 ○ 斎藤明日斗棋王戦 本戦 2回戦(先手 相掛り)
2021/09/13 ○ 豊島将之 叡王戦 タイトル戦 5回戦(先手 相掛り)
2021/09/17 ● 斎藤慎太郎棋王戦 本戦 3回戦(後手 角換わり)
2021/09/20 ○ 木村一基 順位戦 B級 1組 5回戦(先手 相掛り)
2021/09/25 ○ 千田翔太 JT杯戦 本戦 2回戦(先手 相掛り)

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