藤井棋聖、苺力?で逆転勝利
棋士の強弱は棋力「差」+勢いだと思ってます。
棋力はあくまで相手との相対比較ですから、「差」が大切です。勢いは直近の戦績+体調や精神状態などが加味されます。
こういった観点から前回の永瀬王座との棋聖戦第二局をみると、序中盤の研究においては永瀬王座が優り、終盤力は藤井棋聖が有利なので棋力差はほぼ五分でした。
勢いは今期負け無しの7連勝、倒した相手に藤井竜王、渡辺名人、豊島九段が入っているというまさに無敵の状態で、総合的には明らかに永瀬王座が上回った状態で始まりました。
事実、前半永瀬王座はほとんどノータイムで指し、持ち時間で大差をつけこのまま押し切られるのかとハラハラしましたが、さすが藤井棋聖が持ち直し5七桂の決め手を逃したものの最後は9七銀から4八歩という鮮やかな寄せを見せて勝利しました。
トップ棋士と超トップ棋士の違いは、悪い将棋を拾うところにあります。
好調で良い将棋に勝つことは変わりませんが、羽生九段や藤井棋聖などは悪い将棋を終盤でひっくり返して勝つことが多いように思います。
しかし、本筋は序盤、中盤、終盤と有利を拡大していって評価値曲線が所謂「藤井カーブ」を描いていって勝つのが理想です。藤井棋聖ご本人も「序中盤は1,2局とも押され気味だったので、そこを修正したい。」と反省しておられたので、次は先手番でもあり是非「本筋」の勝ち方を観たいものです。
一方永瀬王座は「終盤の悪いところをなんとかして」と言っておられましたが、終盤力そのものを短期間で向上させるのは難しい。やはり途中の1時間以上の大長考をもう少し短くして、終盤に藤井棋聖が時間に追われる状況になっても、自分はしっかり読みを入れて指すこと以外に方法はないでしょう。
いずれにしてもこれで五番勝負が三番勝負になり、次戦の結果でどちらかが王手をかけることになるので7/04日の第三局が大いに楽しみです。
2022年度可能対局数残:62局 6/18現在(段位、冠位、敬称略)
順位戦23年03月 09局○○○○○○○○○(次 佐藤康光 6/22)
棋聖戦22年07月 03局タイトル3○(次 永瀬拓矢 7/04)
王位戦22年08月 07局タイトル7○(次 豊島将之 6/28)
JT杯戦22年11月 03局本戦○○○(次 羽生or菅井 未定)
竜王戦22年11月 07局タイトル7○
銀河戦22年12月 05局本戦○決勝トーナメント○○○○
王将戦23年02月 07局タイトル7○
朝日杯23年02月 04局本戦○○○○
NHK杯23年03月 05局本戦○○○○○(次 西田or伊藤匠 未定)
棋王戦23年03月 12局本戦○○○○○挑決2○タイトル5○(次 中川大輔 未定)
合計 62局(トーナメント全勝、挑決とタイトル戦フルセット)
今期初可能対局数 78局
今期勝ち数計 4勝(勝率 0.667、振り駒勝率 0.666 2:1)
今期負け数計 2敗
今期喪失局数 8喪失(棋戦敗退による対局喪失)
今期早失局数 2早失(番勝負早期決着による対局喪失)
今期防衛・奪取・昇級棋戦:
叡王戦22年06月 叡王防衛 対出口若武 (今期3勝,2早失)
今期敗退棋戦:
王座戦22年10月 本戦1回戦●大橋貴洸×××タイトル5*×(今期1敗、8喪失)
今期対戦結果:
2022/04/28 ○ 出口若武 叡王戦 タイトル戦 1回戦(先手 相掛り)
2022/05/06 ● 大橋貴洸 王座戦 本戦 1回戦(後手 矢倉)
2022/05/15 ○ 出口若武 叡王戦 タイトル戦 2回戦(先手 相掛り:千日手指し直し局)
2022/05/24 ○ 出口若武 叡王戦 タイトル戦 3回戦(先手 相掛り)
2022/06/03 ● 永瀬拓矢 棋聖戦 タイトル戦 1回戦(先手 角換わり:千日手指し直し2局)
2022/06/15 ○ 永瀬拓矢 棋聖戦 タイトル戦 2回戦(後手 角換わり)