【追記あり】ジェットスターのストライキを語る前に目を通してほしいこと
【追記】ストライキは中止となりました
ストライキを理由に懲戒することは法律で禁じられいています。
会社側が一線を超えた証拠にもなることでしょう。
追記以上
①春闘の賃上げストライキではない
大前提として、ここを間違えてはいけません。
今回のストライキの争点は「組合執行委員への 不当な懲戒解雇 の取消」です。
昨今盛り上がっている「春闘の賃上げ要求」が争点のストライキではないことを、まず強調しておきたいと思います。
②1日で終わるとは限らない
少なくとも現時点(3月27日午前11時時点)入手できたJCA労組側発信において、ストライキの期限は定められていません。
最近の春闘のストライキは24時間、ないし48時間程度の有期ストライキであることが多いのに対し、今回はそういった具体的な期限に対する言及が確認できませんでした。
すなわち今回のストライキは、 無期限ストライキ であると考えられます。
少なくとも、3月31日までは続くと考えられるでしょう。これは、解雇を迫られた執行委員が会社側に提出した退職届に、「3/31までに懲戒解雇を撤回しなければ退職する」という内容が含まれているとのことから推測されます。
では会社側が応じなかった場合、3月31日以降もストライキを続けるのか?これは判断が難しいです。
永続してストライキをするのは考えづらいかもしれないが、要所要所で会社の嫌がるタイミングでストライキを打って出る可能性は、十分にあるからです。
たとえば、ゴールデンウィークです。
ジェットスターはゴールデンウィークの特設サイトを用意しているぐらい、気合を入れて予約獲得に挑んでいます。
それは言い換えれば、
「会社側が一番ストライキをしてほしくない弱点を晒している」に等しい行為です。
もしどんこめが会社幹部なら、
「成田~上海」
「関西~ケアンズ」
「関西~ブリスベン」
「関西~シドニー」
「名古屋~マニラ」
「那覇~シンガポール」
現時点で満席便が出ている、「この航路だけはどうかストライキしないでほしい」と考えることができるでしょう。
国内線では「那覇発着」の便がやはり予約が多いから、なんとか防衛したくなるはずです。
どんこめは全くの部外者ですが、それでもここまでわかってしまいます。
では、内部者であるJCA労組の人間ならどう考えるだろうか?
想像してみてください。
③ジェットスターには、少なくとも2つの労働組合がある
今回ストライキを宣告したのはJCA労組(ジェットスター・クルー・アソシエーション)ですが、この他に少なくとも1つ労働組合が存在することが確認できています。
「ジェットスタージャパンユニオン(略称、JJU)」です。
JCAとJJU、それぞれの人数などは現時点では不明です。
ただ、JJUのホームページは、2024年3月1日に開設されたばかりのようで、比較的新しい労働組合である可能性が高いと考えられます。
現時点(2024/3/27)では、投稿記事はホームページ開設を伝える1件のみでした。
このほか公式Instagramと称するアカウントがありました。しかしこちらも投稿は4件のみで、最終投稿は3月4日で止まっていました。
一方こちらは、JCAのページです。
更新履歴を遡ると、少なくとも2019年5月の投稿が確認できました。
少なくとも、HPの開設はJCAの方が先だったようです。
ただ、こちらも2月16日の団体交渉録音記事以降、更新が止まっています。
(投稿は2月18日)
④春闘のストライキが別にあるかもしれない
①でも取り上げた通り、今回のJCAストライキは春闘の賃上げストライキではありません。言い換えれば、春闘の賃上げに関しては全く話し合いが行われていない可能性が高いのです。
ここからいくつかの可能性を考えてみましょう。
言うまでももなく、これら全てが悪いシナリオです。abc、全てにおいて賃上げストライキの可能性を含んでいるからです。
aはそのものずばり、昨今のインフレ情勢を無視して賃金が上昇しなければ、JCA、JJUともにストライキをする可能性はあるでしょう。
bは特にJCA側がストライキをする可能性が高まります。
基本的にはありえないと思いたいですが、会社の態度からは
「JJUのみを社内組合としたい」という意図も感じられます。
cは比較的穏便なシナリオですが、これから団体交渉が行われるとすれば、春闘といいつつも4月5月にヤマ場を迎えることになりそうです。
そうなると、会社への圧力にうってつけなゴールデンウィークストライキとなる可能性も高くなってしまいます。
実は会社にとっては、一番まずい可能性になりうる展開なのです。
結:解雇撤回が無い場合はリスクしかない
以上のことから、まずジェットスター会社側が、
「解雇を撤回する」
「解雇撤回しない」
この2つで、その後の状況が大きく異なることがわかります。
撤回した場合、ストライキは回避され、利用者への影響も無くなります。
一般利用者にとっては最も望ましい展開でしょう。
しかし撤回しない場合、少なからぬ一般利用者が影響を被ります。
会社は対応に追われ、しかも収入は減り、1四半期も経たぬうちに2度もストライキが起こったとして信頼を失うことでしょう。
そうなれば、たとえ他労組といえどもJJUも他人事ではありません。
何しろ会社の存続危機は、共倒れの危機だからです。
むしろ、何のメリットがあって会社側がここまで固執した意見を持っているのかが不思議でなりません。その固執した考え方にも、法律に抵触すると思われる危険な考え方が大いに含まれているように思えてなりません。
そういった、会社側が違法となりうる判例、罰則などをまとめた動画も製作しておりますので、ぜひこちらも参照いただければと思います。
中には懲役となるような物もありますので、迂闊な言動には本当に注意してほしいと思います。
※サムネイルに3/26スト確実か とありますが、実際には3/26にはストライキは発生しませんでした。これはJCA側が最速で3/26にストライキと予告していたため、一般利用者への影響を考慮してそのままの日付で掲載しておりました。