学習机の進化
20世紀問題を無事にクリアすることの出来た日本は、21世紀となり、デジタル社会を発展させることが重要課題となっていた。
そのために国は、将来への投資目的として、全ての小学生にPC端末を配布することを決定した。
若い先生達は、すぐに対応することが出来たのだが、年配のベテラン組は四苦八苦だったようだ。
しかし、数年後には、取扱いの簡単なアプリが次々と開発され、そんな問題も解消されていった。
当然、教科書や学習ノートはPCの中に収納され、端末と作業ペンだけで勉強が出来るようになり、家庭からもアクセスできる環境が整えられた。
そうなると、あの厚みのあるランドセルは、薄く軽いものとなっていった。
ただ、従来の厚みのあるランドセルは、その厚みと重さを懐かしむ中高年のお洒落アイテムとして残ることとなった。
学習机のデザインもコンセントと照明のみのシンプルなものとなり、引き出しの無い自然木の一枚板学習机が流行し、食卓を学習机代わりにするケースもみられた。
ただ、遠い未来では、そんな時代の変化が大きな問題となることを誰も知るよしも無かった。
「困ったなあ。この時代は、ドラえもんを送るための出口が無くなっちゃってるよ。」