猫舌の気象学者
世間では余り知られていないことだが、日本の気象学者のほとんどが猫舌である。
何故か?
猫舌の人は、温度感覚に敏感だからではないか、と言われているが、科学的な実証があるわけではない。
何故、猫舌の気象学者が多いのか。
私の推論は、こうだ。
朝食の時間、みそ汁の湯気が揺らいでいるシーンを思い浮かべて欲しい。
その椀の中を見て欲しい。
少し温度が下がり、猫舌でも飲み頃となるまで、じっと見つめて欲しい。
味噌の粒子が湧き上がる部分と、沈んで行く部分があることに気づくハズだ。
熱々のみそ汁は、そのお椀の中で「対流」が起こっている。
湧き上がっている部分は「低気圧」で、中心部の熱で上昇し、表面で冷やされ「高気圧」となって沈んで行く。
みそ汁椀の中には、小さな天気図が見えるのだ。対流を妨げる白い豆腐は、まるで山脈に見えてくる。
このことに気づいて、手にした箸で、みそ汁を地球の自転のようにゆっくり回し混ぜて、下降流の渦の回転方向を調べる様になれば、これはもう立派な「気象学者」である。
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