夢2 副題:夢の中へ
「健志くん、これ私の本命ね。」
男子生徒憧れの千紗ちゃんが、僕にバレンタインチョコを差し出しながら言ってきた。
「えっ、え~~。」
オドロキながらもシッカリ受け取った。
すると後ろから、
「ずっる~~い。私が一番に渡そうと思ってたのにっ!」
いつもオレの悪口ばかり言っている、朱里ちゃんが割り込んできた。
朱里ちゃんの後ろにも、綺麗にラッピングされた箱を持った女子が、何人も並んでいる。
遂にオレにも春が来たのか。
イヤイヤ、これは「夢」に違いない。
「夢に違いない、夢に違いない、夢に違いない、夢に・・・」
何度も頭の中で繰り返していると、メロディーが浮かんできた。
「夢に違いない、夢に、夢、夢の、夢の中、夢の中へ・・・ふふっふ~夢の中へ♫」
「捜し物は何ですか♬見つけにくいものですか♪」
歌いながら目が覚めた。
捜し物をしている途中で寝てしまった様だ。
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