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落語にて   #ショートショート

先日、初めて落語を聞く機会を得た。
予定していた仕事が、思ったより早く片付いたからだ。

当日だったが、連絡をするとまだ空き席が残っていた。これも新型コロナの影響だろうか。

さっそく、冬の雨の中、車を走らせ会場に到着。
まだ時間があったので、会場を探索。

同じように、開演時間までの時間をくつろいでおられる方、数名。
時間が近づき、会場に入ると、劇団員さんが、開演までの時間を、おしゃべりトークで客席を和ませていた。
今日の公演は、落語の他にコント劇やマジックも行なわれる。

少し遅れていたお客さんを3分だけ待って、いよいよ開演だ。

流石の落語家さんは、軽快な笑いを誘いながら、観客を引き込んで行く。
何度も演じてきたお題だろうが、ちゃんと、今どきのネタを絡めてくる。
声の響きも心地よくリズミカルだ。
落語は、最後のオチが肝心と、事前説明されていたので、後半になり、どんなオチかとワクワクしながら耳を傾けた。
そして「パチン」と手を叩いて、
「お後がよろしいようで。」
で、大きな拍手を受けながら、座を後にして行かれた。

やっぱり、真打ちの落語家さんは、すごいな~と思ってたら、脇から黒子が出てきた。
手には掃除用具を持っている。
そして、座布団の周りに沢山「落」ちていた「語」を片付けた。

「落語」だけに、
ともう一度の「オチ」で閉演した。

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