デジタルデータ廃棄物
世界では、毎日のように色々なゴミが廃棄されている。
産業廃棄物、食品廃棄物、プラゴミなど、人類は大量のゴミを排出し、その処理に多くの費用がかかっている。
特に、感染性廃棄物などは、その管理が重要となっており、排出者・運搬者・一時処分者・二次処分者・最終処分者を記載する、「廃棄物マニフェスト」の作成が義務づけられている。
しかし、「デジタルデータ廃棄物」は、最も大量で重要な情報が多く含まれているにもかかわらず、PCの「ゴミ箱」に落とし込むだけで、その管理は重要視されていない。
ここには、大きな落とし穴があった。
かつての2000年問題の様に、ソフト開発者の中では既に問題となっていたのだ。
開発当時、「ゴミを消す」よりも「ゴミを捨てる」との考え方で、「ゴミ箱」へ落とし込まれたデータは、消されるのではなく、捨てられる、即ち、PC本体から外部に放出されていたのだ。
汚染された排水が地下に染みこみ、水脈に滞留するように、捨てられたデジタルデータも、外部へ放出された後、地層に含まれる鉄分に反応し、ある一定の深さの地層に蓄積されている事が、最近の研究で明らかになった。
特に、日本のように雨の多い地域では、水分が通電性を高め、詳細なまでに廃棄されたデータが蓄積していることが、国による調査で判明したのだ。
焦った国は、国家機密が地下に堆積していないか調査を始めた。また、同時に、各庁舎の床下に、遮電磁波シートを敷き詰めるように通達を出した。
ある日、問題が発生した。
地震が発生した際に、地面から水が噴き出す現象。そう、液状化現象に伴い、デジタルデータも漏れ出ていると言うのだ。
急遽、国は決定した。
ゴーストバスターズならぬデジタル廃棄物バスターズの誕生だ。