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敬老の日

今日は敬老の日だ。しかし、特別なことがあるわけでもなく、ただ日常が静かに流れていく。朝から何をしようかと考えていたけれど、結局、思いつくのは買い物くらいだった。近くのスーパーまで足を運んで、少しばかりの日用品と食材をカゴに入れる。それだけのことだ。レジの前で並んでいるとき、ふと「敬老の日なんだ」と思い出した。周りの人々はみんな同じように、特別な意識もなく日々の生活をこなしているように見える。

外に出ると、相変わらずの猛暑が体を包み込む。9月も半ばを過ぎたというのに、この暑さはいつになったら引くのだろうか。真夏のような日差しがアスファルトを照り返し、じっとりと汗が背中を流れる。誰もが急ぎ足で、少しでも日陰を求めて歩いているように見える。

家に戻り、冷蔵庫に買ってきた食材をしまい、一息つく。エアコンの冷気が部屋を満たしているけれど、それでも外の暑さがどこかしら体に残っている。窓の外を眺めると、いつもと変わらない景色が広がっている。近くの公園では、子供たちが遊んでいる姿が見える。敬老の日とはいえ、何か特別な行事や賑やかさがあるわけでもない。ただ、それぞれの人が、それぞれの日常を静かに生きている。

敬老の日、祖父母のことを思い出してみるけれど、最近は会う機会も少なくなった。彼らが元気でいるかどうか、電話の一本でもかければよかったのかもしれない。けれど、特に用事があるわけでもなく、電話をかけるタイミングを逃してしまった。そうして、また一日が過ぎていく。

結局、今日は何もしなかった。ただ、日常の一コマが繰り返されただけだ。猛暑とともに流れていく日々の中で、何か大きな変化を期待するわけでもなく、ただこの瞬間を淡々と受け入れている自分がいる。それも悪くはない。

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