山林17.5haをお譲りします
山林を相続したけれど、活用できないので誰かに売りたいのですが…。とのご相談が増えてきております。
かつて、昭和高度成長期には、とにかく木を植えればお金になる!とせっせと植林しました。
50年以上経って、いよいよ材木として伐採時期を迎えたものの、世の中は安価で大量に入手できる輸入の木材市場となり、国産の木材は高価で見向きもされなくなりました。
誰が伐採するの?どうやって木材市場へ搬出するの?そもそも経費がいくらかかるの?
出来ないじゃん(。-`ω-)!!!
そうなんです。たとえ、山にある樹齢50年超の木を切って木材市場へ運んだとします。
現在売値は、1本1,000円になればいいところ…。
当然そこまでの工賃で大赤字となるため、日本全国の山林は、杉の植樹の放棄林だらけです。
日本の元々の山は広葉樹林帯です。
種やキノコや木の実が豊富にあり、野生動物たちの食料の宝庫でした。
しかしながら、人間による広葉樹林伐採で杉やヒノキを広範囲にわたって植林した挙句、間伐手入れをされないまま放棄されて、うっそうと暗い森では低木などの下草が生えないため、
地盤の治水能力や土砂の流出防止効果が無くなり、自然災害の原因となってしまいました。
そして、森で食べ物の無くなった飢えた野生動物達は、人間の住む里へ下りてきて、害獣として殺処分されています。
なんと不条理な (; ・`д・´)
ここで、最も大切なことを伝えておかねばなりません。
地球環境を支えているのは、「森林」です。
森林生態系の中には、「生産」「消費」「分解」というシステムが形成されています。
森には、物質の循環とエネルギーの流れが構築されているのです。
小学校で習ったヒトを頂点とした食物連鎖は、実は間違っていることをみんな知っているかい?
実は、ヒトが全地球上の生物の頂点ではないのだ!
森林インストラクター勉強会
以下、弊社代表が所属する「高知県森林インストラクター協会」での勉強会での中身を紹介しておきたい!
生産
植物は、二酸化炭素と水を吸収して光合成をし、
糖類や複雑な有機物を「生産」します。
消費
その植物を草食動物が食べ、その草食動物を肉食動物が食べ、
これを「消費」と言います。
分解
そして、植物や動物が死ぬとその遺体を微生物が「分解」して再び無機物へと還元されます。微生物は、自分の分泌する酵素を使って有機物を分解して、やがて二酸化炭素と水を放出します。
循環
こうして森林生態系の中は、くるくる巡って物質循環とエネルギーの流れが構築されているのです!
なんてすばらしい!!!
特に、森林生態系において、キノコの役割はとても大きい事をぜひ覚えていて欲しい!
自然界で人間が関わる部分は極めて小さい事をよく憶えていてほしい。
鉄則!
・・・あれ?なんか・・・人間いらなくない?
地球上に人間が現れて「人新世」と呼ばれるこの時代はあと何年続くのだろう。
地球を救う手立ては「キノコ」に教えを乞うしかないのだろうか。
人間が森を切り開き、植物や動物たちの食料や住処を奪ってまで無理やり建築資材を植林した以上、やはりここは、森林を健全な状態に戻さなければなりません!
さて、今回のまとまった森林は、津野町貝ノ川(旧葉山村)です。
売主様の所有地は、合計17.5ヘクタール。津野町久保川の部分も数ヘクタールありますが、まとまった17ヘクタールある貝ノ川方面へ調査に赴く事にしました。
貝ノ川の棚田キャンドルのちょうどてっぺんの森です。
所有者様と元林業従事者と植物の先生を伴って現地調査に行って参りました。まず、津野町役場の担当者さんに聞くと、場所は分からないが林道が接してあるはず…との事。
県外在住の所有者様は相続で貰ったものなので、一度も行ったことが無く…。。誰も知らない。林道を走っていて、目印があるわけでなく、どこから先が所有地なのかわかるはずもなく。
大タヲ展望台を目指せ!
一つだけ確かな情報は、
①越知町との尾根境である。
②国土調査の際、越知町側の所有者が津野町側所有者の敷地にはみ出して展望台をこしらえていた事が判明した。
その名は、「大タヲ展望台」
つまり、展望台がちょうど境界の目印となるので、今回は、津野町側から登って攻めていくのではなく、越知町側のてっぺんから所有地を見下ろしてみよう!と決定。
津野町役場から越知町へ移動して走る事、1時間20分。遠かった…。。到着!
素晴らしい景色が眼下に広がりました!
須崎市から向こうの太平洋が眺められるぜよ~♪
↑同行して下さった植物の先生が立っている足元から真下が今回の売却予定の山林です。
しかし、ちょい待ち!山のすそ野がぜんぜん見えないって事は、急斜面であるという事。
ん~、元林業従事者のご意見では、
どやって木を伐採して搬出するぜよ・・・!
結局、放置林になるわけですよね。
ちなみに、所有地は南の斜面ですが、振り返ると北の斜面は景色がぜんぜん違います。↓
立木証明書もお付けいたします。
日本森林インストラクターを受講してみたものの、実は林業そのものが地球環境破壊の原因だった?!
世の中が、やっとSDGsが叫ばれるようになり、日本企業もガバナンスとして自然環境保護を謳う事を前面にアピールしなければ世界に認められない風潮になってきてはいますが、まだまだ単なる表向きのPRでしかありません。そもそも、地球環境保護とは具体的にどうゆうことをすることかが理解できていない上に、実践できていないはずです。
実は、弊社も自然環境保護を目的として、「日本森林インストラクター会」の勉強会へ行きました。
資格試験があるというので、地元高知で1次試験を受け、わざわざ2次試験面接のためだけに東京へ行きました。
不思議なもので、資格試験があるというとそれなりのレベルのものかと思い込んでしまうものです。
そして、資格取得でいい気になっていた私は、教えられるがまま、
「来たれ!自伐型林業従事者よ!荒廃した森林を守るのは君たちです!
山林の活用は、全国森林率日本一の高知県が率先してやらねばならない課題です。来たれ!自伐型林業従事者よ!・・・」
なんつって、声高にブログを書いたりしましたが、奇しくも1冊の書籍との出会いで、それは大変な大間違いであった事に気付いたのでした!!!
無知とはなんと恐ろしい事か!危うく環境破壊に加担するところだった(;・∀・)!
まずは、これを読んでみて下さい!
林業先進国のドイツの森林管理局にいた筆者が、世界に向けて同じ間違いをしないよう警鐘を鳴らしています。
ああ、どう考えても、人工林を植林するための天然林の伐採は大間違いであって、さらには、ふかふかの森林土壌に重機を通らせては、土中の微生物の住処をつぶして土壌をカチカチにしてしまってはいけないのです。
わかっていたはずなのに、専門家と称する先生方のお話しを鵜呑みにしてしまった自分が恥ずかしいと思いました。
地球環境保護は、緊迫した課題です。
これについては、また改めて記します。
どんぐり不動産