胡乱。

電気をつけたみたいな朝が訪れる。眠った実感はないのに、目は不気味なほどに冴えている。気絶に近い時間の断絶。希求に近い喉の乾き。カーテンは開かれている。閉めていたような気がするが、開けてから倒れ込んだのかもしれない。分からない。実体を離れてしまった時の行動に関して、僕は知る由もないから。しかし、責任の所在地は間違いなく僕にある。

目の前には背中があり、長髪に隠された項がある。僕は改めて記憶にアクセスするが、やはり該当する行動がない。ここは僕が日常を過ごす部屋である。そして、カーテンは開かれている。やり過ごすことはできない。責任の所在地は、確かに僕にあるから。

雷の音が遅れてやってくるみたいに、宿酔を知覚する。これは福音なのかもしれないし、純然たるトラブルの類なのかもしれない。でも少なくとも僕は、この肉体に繋がっている顔を、そしてその表情が指し示す意味を確認しなければならない。確認しなければならないのだ。

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