チーズ。
干涸らびたチーズが頭の中を漂っている。僕は頭の中を高湿に保ち、丹念に醸造する。しかし、チーズは腐ってしまった。余りにも過湿だったのかもしれない。
カラッカラのスポンジが頭の中を漂っている。僕は限られた水を掻き集め、意を決してスポンジに染み込ませる。しかし、スポンジが蘇ることはなかった。余りにも時間を経過させすぎたのかもしれない。
頭の中には、出来の悪い脳味噌が漂っている。しかし、何をすればいいかは僕には分からない。それがチーズであれ、スポンジであれ、脳味噌であろうとも、僕にはそれをそこにあると思い込むしかないのだ。