虚言癖。
また嘘をついてしまう。1度嘘に舵をきってしまうと、整合性をつけるために口はよく動く。結果、嘘に嘘を重ねた虚構が出来上がる。
虚言癖の源泉は、極度の見栄っ張りだ。武勇伝(仮)、自慢譚(仮)。口は発情期の犬のようによく動く。虚言の悪癖はその頻度を増すばかりで、治る見込みはなかった。
しかし、僕は自分の重度な虚言癖をさほど問題に感じていない。可能世界という考え方がある。それは、想像力の土壌がないと発言することのない世界だ。僕は虚言癖を通して、何層にも渡る可能世界を自身に内包しているのだ。
だから僕は、人を楽しませることができる。何にだって、活用の仕方がなければこの世界は回らない。