発狂シャンディガフ。
君の酒癖は芸術的に悪かった。
「אל תהיה טיפש!」(ふざけるな!)
それがヘブライ語であることに気付ける訳がない。彼と杯を交わした人は、彼は発狂してしまったんだと諦め、二度とは宴を共にしなかった。でも、僕は君にグラスを投げつけられても、顔に嘔吐を浴びせられても、なぜか君を憎むことができなかった。虎になる他の人は厭悪していたから、それは不思議な因果のようなものだ。
君は野生のカバくらい酒が強かったけれど、チェイサーにシャンディガフを頼み始めると、そこが分水嶺になる。アマチュアの菩薩みたいに紳士的な態度が、雷によって悪い回心を促されたみたいに豹変する。ヘブライ語が混ざり始めて(まったく哲学を学んでいる意味が無い)、やがて怒り狂う。時々その怒りが自分に向くから、僕は心配で連れ立っているのかもしれない。
僕はシャンディガフを飲む人を見る度に不安な気持ちになる。あれって、何かクスリみたいな成分が入っていないと、説明がつかないから。