ベンチャー宗教。
「よし、僕と君で宗教を立ち上げよう」
「よし、じゃあどちらが神様になろうか」
「よし、それなら僕が神様になろう」
「よし、確かに君は神様みたいなところがあると思っていたんだ」
「よし、君は副神様をやってくれ」
「よし、謹んで承るよ」
「よし、それでは信者を探しにテクテクしよう」
「よし、そうしよう」
テクテク。テクテク。
「すみません、私は神様なのですが」
「私は副神様ですが」
「嗚呼、神様と副神様! お待ちしておりました」
「お待ちしておりました、とは?」
「とは?」
「はい。私はこの頃身に余る幸運が続いておりまして、ひょっとしたら神様がご贔屓にしてくれていたのではないかと思っておりました」
「ふむふむ、確かに贔屓をした気がするな」
「ふむふむ、そうですな」
「嗚呼、やはり! 神様、そして副神様、私に喜捨をさせてください」
「よし、よろこんで」
「よし、よろこんで承ろう」
「嗚呼、有り難き幸せ。昨日、道で拾った一億円の小切手です」
「よし」
「よし」
「嗚呼、これで私も安心でございます」
「よし、神様も安心だ」
「よし、副神様も安心だ」