回転。
立ち止まっても、僕たちが本当の意味で止まることは決してできない。それは、認知能力の限界で、止まっていると錯誤しているに過ぎないからだ。地球は回り続けているし、回され続けている。あるいは地球の底抜けな優しさで、それを隠してくれているのかもしれない。地球は僕たちが何回死んで生き返っても足りないほど途方もなく、繰り返している。回し、回され、時々ため息をつく。それは何億光年にも勝る孤独だ。
地球がもし諦めて止まってしまえば、僕たちは慣性の法則に則って吹っ飛んでしまう。形を保っていられないだろうし、余りの混乱で死んだことにすら気づかないのかもしれない。しかし地球は決して自ら止まろうとはしない。運命を受け入れ、ちっぽけな僕たちの人生を続けさせてくれる。
できないことを望んだって仕方がない。僕たちに当分羽は生えないし、水かきもできない。だから、止まったふりをしていないで、少しでも動いた方がいいと思うんだ。