月。
あなたは月のような存在でとても憎い。光を受けているばかりなのに、我が物顔で佇み、私を見下している。あなたはまるで自分の手柄みたいに、横暴に振る舞う。
それに、あなたは都合が悪くなると姿を隠す。私の視界の死角に入り、ほくそ笑んでいる。そこにいることは分かっていても、私の網膜には映らない。私が泣いても、叫んでも、あなたは凜として寄り添うことはなかった。
私は月を見る度に、あなたを思い出す。それだから、月も嫌いになった。私は月を覆って私から隠してくれる、雲が好きになりました。あの雲のような人は、どこにいるのでしょうか。やがて流れて月が顔を覗かせる前に、見つけたいものです。