羽。
僕には観念的な羽があり、観念的な大空を羽ばたくことができる! だから僕は幾度となく飛んできた。即物的な地上には嫌な事が、まるでナメクジのいる日陰に繁茂する苔みたいに溢れているけど、観念的な大空には自由があり、悦楽がある。だから僕はほとんどを観念的な大空で過ごしてきた。即物的な地上は、苦難に満ちた羽休めだった。
「何分遅れるの?」
バサッ! 言い訳をするくらいなら、飛んだ方がましだ。
「今日のシフトは?」
バサッ! うるさいうるさい。
【家賃滞納のお知らせ】
バサッ! そもそも、地上に居を構えること自体間違っていた。
僕は観点的な大空に留まることを決めた。ここにはしがらみも規則もない。それに、テトラヒドロカンナビノールがあれば羽休めがいらないし、カンナビジオールがあれば悩みはスっと立ち消える。とてもハラショーだ。