ホワイトハッカー。
「正直言ってさ、この前はヒヤリとしたよ」
友人は我が物顔で、そう言った。友人は、女子高生と援交をしている。大学時代から数えて、もう四年目になろうとしている。
「そろそろさ、やめた方がいいんじゃないのかい? 」
「やめられるなら、とっくにやめてるよ」
友人はグラスを空ける。
「それに、使命感もある。俺がやっているのは、ちょうどホワイトハッカーみたいなことなんだよ」
「ホワイトハッカー? 悪いけど、君はただ援交しているだけじゃないか」
「そういうなよ。俺より悪質な奴はごまんといるんだよ。だから、俺くらいで留まるように説得するんだよ。そういう草の根の活動って、意外と大事なんだよな」
僕はため息をついた。ここまで自己を正当化してしまうとは、人間というものはつくづく恐ろしい。