悪夢。
叫びとともに飛び起きる。心臓は破裂を希求しているみたいに鼓動し、喉の乾きは針に刺されている痛みに近い。シャツはカバの溜息を浴びたみたいにじっとりと汗が染み、僕は気怠さの中に現実を認める。
悪夢には様々な種類があるけれども(誰かに殺されたり裏切られたり)、今この胸を締め付けているのは全てのネガティブわ収斂したかのようなモティーフだ。僕は頭でもう一度象ることさえも躊躇いを感じる。そこには偶像崇拝への畏怖に近い何かがあった。僕は見てはいけないモティーフを、夢で再現してしまったのだ。
僕はその日から、怪物を飼い慣らすことを求められるようになった。何より恐ろしいのは、僕のさして大きくもない脳みそにそれが住んでいることだ。