思い出ベッティング。
「ロン」
Aは跳満で、見事な逆転を演じてみせた。満貫以上の高役が連発し、かなりの点差が着いた。
「やられた〜」
Cは久々の大負けだ。玄人でも運に左右される日がある点、麻雀というゲームはよく出来ている。
「それじゃあテンピンだから……80符分の思い出だね」
「いやー、もう中学生の記憶は、全部なくなってしまうよ」
プシュン。
「いやはや、一番の悪魔は数字とやらなのかも知れませんネ」
検察官は笑った。
「縋り続けて来たのは我々の方ですからネ。もはや、この概念を消し去るなんて無理な話ですな」
警察官は頷いた。