オーヴァー。
オーヴァー。閾値を越えた運動。必要な酸素を摂取しきることができず、脳が燃える。身体の節々が痺れ、思考の轍は消え去る。オーヴァー・ペース。
オーヴァー。ひとりでな自虐。自らを蔑み、得るものは心に残る傷だけだ。世界を憎み、希望を捨てる。オーヴァー・マゾヒズム。
オーヴァー。度を過ぎた飲酒。邪に血中アルコール濃度が高まるばかり。虎になり、他人と自分とを傷つける。オーヴァー・フリーク。
万物摂理、基準なるものがある。それに分かりやすいラインが引かれていれば、世界はとても生きやすい。しかし、この世界はどこか曖昧模糊としている。気付いたらあちら側にいることは、珍しいことではないのだ。
オーヴァーが蓄積すると、勿論人間はそれに耐えることができない。ひゅー、どん。ゲーム・オーヴァー。