誓いのタトゥー。
正義はある側面から見れば、陰謀の形をしている。
「ブラザー、俺達にはそろそろシンボルが必要だ」
Discordのグループは日に日に肥大していた。
「よし、決めた」
リーダーのカリスマ性は、その要因の一つだ。
「俺達のグループのシンボルはタトゥーにしよう」
しかし、キャパシティを越えた先導を課せられた時、人はしばしばエラーを起こす。
「口元にマスクのタトゥーだ。それが、俺達のシンボルだ」
「ブラザー、顔にタトゥーはイかし過ぎじゃないかい」
「俺達のグループは、それくらいで丁度いいじゃないか」
明くる日、中心メンバーと一部の熱狂的支持者はそれを実行した。
人の記憶力は脆く、数年前のパンデミックは話題の俎上に載る気配すらない。
「お客さん、お断りだよ」
刻印のように顔を彩るタトゥーは、今や不幸のシンボルだ。