久方ぶりの教室。
久方ぶりの教室に愕然とした。窮屈な椅子と机。まるで、この国の教育そのものを具現化してるようだ。
「ねぇ、この椅子と机はこの国の教育そのものみたいじゃないか。」
「そうはいうけどね、教室と机なんて工場で作るもんだよ。変な粗悪品が混ざるより、精緻に作り込まれたプロダクトの方が気持ち良いじゃあないか。」
「君、そういう規格品ばかり作る悪癖があるから、この社会は不格好に回っているんじゃないのかい。この椅子と机が原因だと僕は分かったよ。」
「じゃあどうすればいいのさ。」
「僕だったら、まずは自分好みの椅子と机を自由に作らせるところから始めるね。教育で羽交い締めにしてしまう前に、ね。」