神様。
神様はとても人間が好きだから、時々現世に降りて交流をしようとする。そもそも人間は神様を象って創られたものであるから、神様が現世に降りても違和感は生じない。神様は人間との交流をとても楽しみにしていた。
「やあ」
缶ビールを片手に歩く青年に、神様は挨拶をした。
「……」
青年は顔を上げ神様を認めたが、あからさまに不審がっている。
「やあ、私は神様だよ」
青年は駆け出したので、神様はその力をつかって青年の動きを止めた。
「どうして、神様を無視するのかい」
青年は悶えながら(神通力に抗おうとする人間に神様は初めて出会った)、反抗した。
「きもちわりぃ。離しやがれ」
神様はその言葉に深く傷つき、世界ごと消してしまった。
天界に戻った神様は、深く溜息をついた。
「まったく、300年かそこらで人間は変わりきってしまったのか」