自転他転。
「ねぇ、地球ってとても律儀だと思わない? 」
「どういうこと? 」
「だって、ずうっと同じ速度で回り続けているのよ? もっと評価されてもいいと思うわ。私なら、気まぐれに止まったりしてしまうもの」
「僕は、回されているだけだと思うけどね。プログラミングみたいなものさ。物理法則に則っているだけ。むしろ、回されているだけの、草の根の人間みたいなものじゃないのかな」
「私は、私として生きているのよ。私は回されてなんていないわ」
「それが錯覚というものさ。しかし、どちらの立場が正しいということはないんだ。それが、我々に与えられた幸福というものだよ」