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コットンボール。

生花店で一目惚れをしたコットンボールを買った。僕はそれを枕元に置いた。コットンボールが深い眠りへと誘ってくれるだろう、という直感がしたからだ。僕はその夜、徹夜明けでもないのに十二時間も眠った。起きた頃には仕事の就業時間で、僕は笑うことしか出来なかった。その後の叱責より、久方ぶりの深い眠りの心地よさが勝っていた。僕はコットンボールを撫でてから、冷蔵庫に入っていたIPAを開栓した。

僕はもう一度生花店に赴いて、コットンボールを2つ買った。僕はそれを浴室とトイレに置いた。シャワーを浴びれば垢と一緒に皮膚まで剥がれ落ち、排便をすれば小腸の切れ端が混ざるようになった。コットンボールの効力は余りにも強かった。しかし、どれだけ強い刺激でも慣れてしまうのが人間の性だ。僕はコットンボールを買い漁り、部屋の至る所に置いた。もちろん、僕は爆ぜて床に溶け落ちてしまったけれども、コットンボールが全て吸収し、無かったことにしてくれた。

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