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雪山。

堆積した雪がある。凸凹を牡丹雪が化粧をして、無印のゲルみたいに整っている。僕はそれを汚したいと思った。どうせ振りしきる雪は、僕の痕跡などすぐに無き者にしてくれるだろう。僕は背面跳びの選手みたいに、勢いよく雪山に体重を預けた。酔いが回る僕が思ったよりも雪はずっと固くて、ちょうど表面と同じ高さくらいまでしか埋まらなかった。僕は吹雪を見上げて、暫くじっとしていた。雪山の一部になったような気がして、それが妙に心地よかった。気が済むまでこのままでいよう、と僕は思った。まだ夜は長いし、明日の予定は何もない。外気温はそれほど厳しくはないから、いつまでもいられそうだった。

そうして僕は、雪山と一体になった。四肢は雪山と絡み合い、僕の意志を反映することはできなくなった。神経は雪山の中枢神経と接続され、僕の思考をも奪いつつある。でも、念願の雪山になれるんだから幸せだよね!

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