数学的に1。
〉…えぇー、このように次元がひとつ増えると、その一つ前の次元は数学的に1になってしまうのです。
「ねぇ、数学的に1になるってことは、いったいどういう気分なんだろうね。」
「君は想像力が豊かなんだね。数学なんて机上の空論じゃないか。」
「だって、純粋に気になるんだよ。僕達は四次元をかねてから思い描いていただろう?その四次元に足を踏み入れた途端、僕らは1になってしまうだなんて皮肉じゃないか。だから、せめてどのような気分かなのかは考えたいじゃないか。」
「…そうだね、パッタリと世界が消えてなくなってしまうんじゃないかな。」
「…それは、0と何が違うんだろう。」
「0も1も変わらないさ。自分が1という拘りを捨てきれない部分で、1の方が不幸せかも知れないネ。」