スケッチ。
スケッチは人生に必要不可欠だ。写真では味気ない。機械を通してしまうと、それは情報になってしまう。スケッチは、情緒なのだ。かけがえのない瞬間を脳内で反芻し、解釈する。そして、キャンバスに表現する。スケッチは、日々の営みの中で最も崇高かつ必要である。
「ねぇ、その奇妙な絵を描くのをいい加減やめてよ。」
「…。」
「ねぇ、あなたには絵を描く才能はないのよ。」
「…。」
「ねぇ、あなたも辛いんでしょう?」
奢らず。人の視覚は、他人には再現出来ないのだ。それは、人間の身勝手な都合を他者に押しつけているのと等しい。