孤独。
孤独には救いがない。孤独であることに気づいた時には、もうどうすることも出来ないからだ。
僕は崖を思う。崖の淵から下を覗いてみても、底は見えない。険しい崖。僕はその深淵に覗き返される。誘いを必死に断り、後ろを振り返る。ただ、帰る道は消えてしまっている。僕は崖に取り残されたことに気付く。
断絶の先から、友人は僕に声をかける。大丈夫、助けを呼ぶから待っていろと叫んでいる。しかし、僕は気づいている。時間は残酷なほど平等に流れている。かつての友人も、僕を叫んで人生を全うしようだなんて思わない。やがて、僕に背を向ける。僕の孤独が顕在化するだけなのだ。
ひとりぽっちの僕。僕の中の僕は、今ひとりぽっちで項垂れている。