雲を這う。
僕達は空を見上げると、雲がフカフカのソファーであることを信じて疑わない。流れる雲に乗って遊説したい。誰しもがそれを願っている。
ある日、水上で優雅に散歩している水馬くんに訊ねてみた。
「ねぇ、水馬くん。君はどうしてそのように水の上を歩けるんだい?」
「やあ。自分が歩けることを信じて疑わないだけだよ。」
「僕は、雲がフカフカのソファーだと思っているよ。」
「なんだ。もう答えが出ているじゃないか。」
僕は雲の上に行く方法を模索し続けている。雲がフカフカのソファーであることは分かったけれど、チャンスはなかなかやってこないみたいだ。