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ゾンビくん。

「やりたいこともできることもない君を、誰が求めるんだろう?」

彼は答えられなかった。彼は、それ程までに思考というものを持ち合わせていなかったみたいだ。

「君はもう少し、自分の頭で考えたほうがいい。」

彼は肯いた。しかし、彼はこの警告を酒で流してしまうだろう。酒の味だけは憶えているらしい。

「何の能力もない君が、同じゲームをプレイしても勝ち目はないんだよ。戦い方の方を変えるしかない。」

彼は肯いた。まるで、答えを悟ったかのように。彼が答えに辿り着いたのは何度目だろうか。垣間見た解法を、彼は解法として愛でてしまうきらいがある。行動に移すだけで、たっぷりと先行者利益を被ることができたというのに。思考もしない、行動力もない…いったいきみは。

彼は、やはり哲学的ゾンビだったのだろうか。量産される意志なき人を見る度に、それはあながち間違っていないような気がしてならない。

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